お家で遊ぼう!
料理の写真を上手に撮るための基本的なテクニックをご紹介する本シリーズ。
これまで、構図の作り方からレタッチの方法まで、基本的な撮影テクニックについて解説してきました。
最終回となる今回は、これまでご紹介できなかった「撮影のちょっとしたコツ」や「プチテクニック」をご紹介します。
第1回目~5回目の記事につきましては、それぞれ以下からご覧ください。
・料理が映える撮影テクニック!上手な写真の撮り方②アングル編
・料理が映える撮影テクニック!上手な写真の撮り方⑤レタッチ編
料理撮影で覚えておきたいプチテクニック選
料理をおいしそうに見せるには、いくつかのコツがあります。
今回はプチテクニックとして、4つのコツをご紹介します。
食器を工夫する
料理写真を撮影する際は、料理そのものだけでなく食器もまた料理の一部です。それぞれの料理に合う食器や、見栄えするおしゃれな食器など、料理の内容やロケーションなどに応じて上手に使い分けましょう。
和食の場合は陶器や漆器などがよく映えます。料理によっては寿司下駄や飯台などを使ってみるのもいいですね。
洋食には浅くて広めの平皿などが似合います。イタリア料理やスペイン料理の場合は平皿に色鮮やかな料理を広げたり、フランス料理の場合は余白をいかして高級感や気品さを演出したりするなど、その料理のルーツや背景を反映させて盛りつけを演出するのも大事なポイントです。
彩りを意識する
料理をおいしそうに見せるには、彩りがとても重要です。
できれば緑、赤、黄が入るよう調整したいところ。
緑はレタスやキャベツ、ほうれん草などの葉野菜、あるいはパセリやディル、チャービルなどのハーブが使いやすいですね。
赤は肉や赤ワインベースのソース、トマトやピンクペッパー、ラディッシュ、人参、ハム、いちごなどが便利です。
黄は黄パプリカやレモン、チーズ、コーン、かぼちゃ、黄トマトなど。
これらの彩りをバランスよく配置するのを意識しつつ、各種食材の相性や組み合わせなども考慮してメニューを組み立てるのがおすすめです。
焼きそばや焼き鳥、お好み焼きなどのいわゆる屋台料理は茶色が多く、写真映えさせるのがやや難しいですよね。そういう場合は紅生姜の赤を添えたり、マヨネーズやからしを活用して黄色を加えたりするなど工夫してみましょう。
立体感を演出する
料理の立体感を演出したり表現したりするのも重要なポイントです。
すべての料理で必ずしも立体感を出せるわけではありませんが、たとえばパスタやサラダ、お刺身などは比較的立体感を出しやすい類といえるでしょう。
パスタは上の写真(ちなみに写真は焼きうどんです)のように、巻くように盛り付けてできるだけ高さを出したり、サラダも空気を含ませるようフワッと盛りつけたりすることで立体感が出しやすくなります。
お刺身の場合は大根のつまや大葉などを使って立体感を演出するのが定番ですね。
前項(彩りの項)の冒頭にあるサーモンマリネとカプレーゼのサラダのように、お刺身を巻いて飾るように盛りつけるのも立体感の演出に効果的です。
小物を上手に使う
こちらの写真は、本格キムチの作り方をご紹介する記事の冒頭で使用したもので、いくつかの小物を使用しています。
キムチといえば韓国を代表するグルメの一つなので、韓国っぽさを演出するのにエスニックな風合いのランチョンマットを使用。さらに唐辛子はキムチ作りに欠かせない原料の一つなので、背景に乾燥唐辛子の束をセッティングしました。
料理の国籍やルーツなどの背景や、雰囲気に合った小物を上手に使うと、写真が一気に華やかになります。
枝付きのローズマリーやタイムなどのハーブや、黒こしょうやスターアニス、カルダモンやシナモンスティックなどのスパイスなども、写真の雰囲気を高めてくれる小物として使いやすいのでおすすめです。
ちょっとした工夫で写真が一気に華やかに
今回は、構図の取り方やアングル、ピントの合わせ方、照明の効果、レタッチのやり方といった「撮影における基本的なテクニック」以外の、料理を撮影する上で覚えておきたいちょっとしたコツをご紹介しました。
写真は、ほんの少しの工夫で劇的に印象が変わるものです。本シリーズの基本的なテクニックを踏まえて、おいしそうな料理写真の撮影にチャレンジしてみてくださいね。