お家で遊ぼう!
料理の写真を上手に撮るための基本的なテクニックをご紹介する本シリーズ。
これまで、構図の作り方やアングル、ピントなどの基本的な撮影テクニックについて解説してきました。
第5回目となる今回は、写真撮影最後の工程である「レタッチ」についてご紹介します。
第1回目~4回目の記事につきましては、それぞれ以下からご覧ください。
・料理が映える撮影テクニック!上手な写真の撮り方②アングル編
レタッチとは?
レタッチとは、撮影した写真を加工したり修正したりなど編集することです。たとえば明るさを調整したりノイズを除去したりして、より見やすく美しい仕上がりを狙います。
最近ではスマートフォンに標準的に備わっているカメラアプリでも、サイズ変更やトリミング(切り取り)、その他簡単なレタッチ機能があるのが当たり前になってきました。レタッチソフトによりそれぞれの効果に特徴や個性、癖があるので、写真の仕上がりによりこだわりたい方は、様々なアプリを試してご自分の好みに合うものを探してみるといいでしょう。
さらにより高度で本格的な機能を備えたレタッチソフトでは、複数の写真を合成できたり、人物の目や鼻筋、輪郭など顔のパーツを細かく修正できたりするものなどもあります。パソコン向けのソフトだとより高度なレタッチができますが、スマートフォン向けのアプリの機能も年々向上しているので、スマートフォンだけでも十分に美しい仕上がりを実現できますよ。
覚えておきたい基本的なレタッチテクニック
写真の加工は初めての挑戦という方は、まずは以下の基本的な4点から始めてみましょう。
これらは基本的なレタッチテクニックで、ほとんどのレタッチソフトに備えられている機能です。それぞれの効果と調整方法を簡単にご説明します。
トリミング
トリミングとは、写真の不要な部分を除外し、必要な部分だけを切り取って残すことです。たとえば以下の写真をご覧ください。
上記の写真の被写体をもう少し大きく見せたい場合は、背景を取り除き被写体を切り出すのが効果的です。トリミングすると以下のようになります。
このようにトリミングは写真の中の一部分を切り出すのに役立ちますが、全体的な構図のバランスを修正したい場合にも便利です。
明るさ
写真の明るさは、見やすさや美しさにダイレクトに関与するので、ぜひともレタッチで理想的なバランスに調整したいところです。
明るさが写真の印象をどのくらい左右するかは、以下の写真をご覧いただくとわかりやすいでしょう。
上は明るさを調整していない暗い状態のもの。下は明るさを調整して見やすくしたものです。上はどこかどんよりした雰囲気なのに対し、下は自然の荘厳さや神秘さが感じられるような雰囲気ですよね。
料理の写真も暗いと見にくいだけでなく料理がおいしそうに見えない場合が多いので、見やすいレベルに明るさを調整するのを習慣づけるといいでしょう。
コントラスト
コントラストとは、簡単に言うと明るい部分と暗い部分の差です。コントラストを高める(強くする)と写真の明るい部分と暗い部分の差が大きくなります。つまり陰影がはっきりとするので、より見やすくなったり立体感が生まれたりします。
だからといってコントラストを強めすぎても見にくくなってしまうので、ちょうどいい塩梅に調整するのが肝心です。
以下の写真は、コントラストを調整する前のものです。
上記の写真のコントラストだけを上げると次のようになります。
ハンバーグがより見やすく、おいしそうになったのがわかるかと思います。先の写真と見比べていただくとわかりやすいですが、コントラストを上げると明るい部分がより明るく、暗い部分はより暗くなるため、めりはりのついた見やすい仕上がりになります。
こちらはコントラストを必要以上に強めたものです。めりはりがありすぎてかえって見にくくなっているのがわかるかと思います。一般的にこのような調整の仕方は好まれませんが、あえて個性を演出したい場合などには効果的です。
彩度
彩度(さいど)とは文字通り写真の色彩や色のあざやかさを示します。
赤と黄色、緑と、彩り豊かで鮮やかなこちらの写真の彩度を落とすと、次のようになります。
色彩が減ったのがわかるかと思います。逆にいえば、色彩に物足りなさを感じる場合は、彩度を上げて調整できるということでもあります。
鮮やかで華々しい雰囲気を演出したい場合は彩度を高めるといいでしょう。逆に冷たさや寒々しさ、クールさなどを演出したい場合は彩度を下げるのが効果的です。
レタッチで写真を好みのスタイルに仕上げよう
今回は撮影に関する基本的なテクニックの最終仕上げである「レタッチ」について解説しました。
レタッチは、写真を美しく仕上げるのに欠かせないプロセスです。ぜひお好みのレタッチソフトを活用して、よりおいしそうな料理写真を撮ってくださいね。
料理の写真を上手に撮るための基本的なテクニックをご紹介する本シリーズ。今回で基本的なテクニックの解説は終わりですが、まだシリーズ終了ではありません。
次回は、これまでの基本的なテクニックの中ではご紹介しきれなかった「プチテクニック」をご紹介します。お楽しみに!