千葉グルメを味わう
多様な食文化がひしめき合っているご当地グルメの聖地「千葉県」。
伝統料理やB級グルメ、ご当地のソウルフードなど、海、山、地の恵みが豊かな千葉県にはさまざまな郷土料理があります。
千葉県の郷土料理といえばなめろうや、さんが焼き、くじら料理などをイメージする方が多いのではないでしょうか。当マガジンでもハバ雑煮や落花生を使った料理、鶏雑炊(とりどせ)などさまざまな郷土料理をご紹介してきました。
さて、今回ご紹介するのは、千葉の比較的新しい郷土料理「千葉さんが」です。
千葉さんがとは
千葉県を代表する郷土料理の一つ、「さんが焼き」は皆さんよくご存じかと思います。
さんが焼きは一般的にアジを使うことが多く、アジのなめろうを作る要領で生姜やねぎ、味噌などと一緒に身を叩き、アワビの殻に詰めて焼いたものです。
なめろうの作り方やさんが焼きの作り方についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
さて、今回ご紹介する「千葉さんが」は、アジやイワシなど特定の魚にこだわらず、房総の豊かな食材を存分に生かして作ります。さまざまな食材を好みに合わせて使い、調理法も生食のほか焼いたり煮たり蒸したりと自由なのが特徴です。
千葉さんがが誕生したのは2019年と比較的新しく、千葉市内の飲食店にて各店舗のオリジナリティあふれる千葉さんがが提供されています。地物の魚介や肉、野菜などを使用する以外は、すべて作り手の個性と感性に委ねられます。
千葉さんがの発展形として、千葉さんがをスープにした「さんがスープ」という料理もあり、おもしろいですよ。
今回はアジのほか、ホタテとカキ、生姜、大葉と味噌を使った、UNAU MAGAZINEオリジナルの千葉さんがのレシピをご紹介します。
千葉さんがの作り方
今回使用した材料は以下の通りです。
アジは三枚におろした半身を使います。対面販売で店員に注文する際は「三枚におろしてください」と伝えましょう。身を骨から切り離した柵が二つ渡されるので、そのうちの一枚(半身)を使います。
小型のアジでしたら柵を二枚とも使って構いません。量はお好みで調整してください。もちろんアジのほか、イワシなどを使っていただいても構いません。
ホタテは貝柱を貝から離したら、中腸線(貝柱の横にくっついている黒い器官)を除去して洗います。水気はしっかり切っておきましょう。
食中毒防止のため、カキの身もきれいに洗います。
カキを洗う際はボウルにカキの身を入れ、適量の片栗粉やコーンスターチ、あるいは大根おろしなどを加えて優しくもみ洗いしてください。カキの身はもろいので、力を入れず優しく洗うのがポイントです。
洗っていくうちに水が灰色に濁っていくはずです。一度で汚れが取り切れない場合は一旦水洗いし、再度片栗粉を加えてもみ洗いをしましょう。
汚れがきれいに取れたらたっぷりの水で片栗粉を洗い流し、水気を拭いたら完了です。
すべての食材の下ごしらえが終わったら、アジの身とホタテの貝柱、カキのむき身をまな板の上で細かく切り、塩を加えて粘りが出るまで包丁で叩きましょう。途中で味噌、生姜、長ねぎも加えます。薬味の種類や量はお好みで調整してください。
一通り細かくなったらハンバーグの要領で小判形に成形し、茎を取り除いた大葉を乗せましょう。
このまま油を引いたフライパンで焼いてもいいですが、せっかくですから千葉県産の豚肉も使い、より千葉さんがっぽさを演出したいところ。
豚肉スライスでタネをまいてからフライパンで焼きます。豚肉はバラやロースなどでも構いませんが、できるだけ脂の少ない部分がおすすめです。
フライパンにごま油を引いたら、成形した千葉さんがの両面を焼きます。豚肉は生食できませんので、しっかりと火が通るまで焼きましょう。
手前の千葉さんがの形が崩れてしまいました……。これもご愛敬ですね!
肉に十分に火が通ったらお皿に盛りつけて、千葉さんがの完成!
アジとホタテ、カキの複雑かつ濃厚で豊かな海のうま味に加え、豚肉の香ばしさとコクが絡み合って絶妙な塩梅です。ご飯のおかずはもちろん、おつまみにも最高。
お好みでみょうがやわさびなどの薬味をたっぷりつけてもおいしそうですね。
まとめ
今回は千葉さんがの一例として、当マガジンオリジナルの千葉さんがレシピをご紹介しました。
千葉さんがは焼いたり煮たり茹でたり蒸したりと、調理方法やアレンジは自由自在です。海のものに地のもの、山のものなど豊かな自然に恵まれた千葉ならではのご当地グルメといえるでしょう。
ご家庭でも作りやすい料理ですので、新鮮な食材を使って皆さんもぜひ挑戦してみてください。