千葉グルメを味わう
成田名物といえば、うなぎをイメージする人は多いのではないでしょうか。
成田は関東随一の玄関口であり、外国から降り立った観光客が最初に目にする街でもあります。そんな「日本の顔」ともいうべき成田は、これまた日本の食文化が誇る伝統的な食べ物である「うなぎ」が名物。
でも、成田でどうしてうなぎが有名なのか、その理由を知っている人は意外とあまり多くないのではないでしょうか。
今回は、成田市とうなぎの関係について掘り下げていきます!
成田でうなぎが有名になった理由
成田でうなぎが有名になった大きな理由は、実は利根川や印旛沼などでうなぎが豊富に獲れたからなんです。
成田でのうなぎの歴史は古く、江戸時代にまでさかのぼります。
元禄時代にうなぎはすでに成田(当時の印旛郡)名物として人気を博しており、門前町の旅館などでは夏場のうなぎ料理が名物だったそうです。特に成田山新勝寺への参拝(成田参詣)は江戸でも人気の定番の行楽となり、当時江戸で人気があったうなぎをおもてなし料理とするところから、成田とうなぎの歴史は始まります。
今でも、参拝ついでにうなぎを食べて帰る方は多いでしょう。
当時はもちろん自動車もバイクもありませんから、江戸からの成田参詣はすべて徒歩。長い旅路の末に食する、滋養強壮に効くうなぎ料理は、大変喜ばれたそうです。
また、土用の丑の日にうなぎを食べられるようになったのもちょうどこの頃。
ちなみに、2023年夏の土用の丑の日は、7月30日です。「う」のつく食べ物を食べたいこの日は、ぜひとも成田のおいしいうなぎを食べて、願掛けとともに心身のスタミナも充実させたいですね。
成田のうなぎがおいしい理由
利根川や印旛沼のうなぎの量がかつてほどではなくなった現在、うなぎを提供している多くのお店では、地元産ではなく鹿児島や愛知、宮崎などの国内産や、台湾や中国など外国産のものもよく使われているようです。
とはいえ、成田のうなぎがおいしいといわれるのにはやはり理由があります。それは、成田市の「うなぎ料理の激戦区」としての歴史です。
成田は江戸時代からうなぎで栄え、今日に至ります。成田山表参道には今でも50以上のうなぎ料理専門店がひしめき合っています。日本でも珍しいうなぎ激戦区では、常にうなぎのかば焼きの決め手ともいえる「秘伝のたれ」や「焼きの技術」が競われてきました。
そうした背景があり、成田は日本有数の「うなぎの凄腕職人達が集まる場所」になったのです。
土用の丑の日にうなぎを食べる理由
日本では昔から夏バテ防止に、夏の土用の丑の日にうなぎを食べる風習がありました。
厳密には「う」のつくもの(梅干し、うどん、瓜など)を食べる習わしで、これらには夏バテ防止に必要な栄養素が豊富だというのがその理由です。
もちろんうなぎも、夏に不足しやすいタンパク質や、亜鉛やカルシウムといったミネラル、ビタミンA、ビタミンB1・B2、ビタミンD、ビタミンEなどのビタミン類が豊富で、さらに脂質には脂肪燃焼効果や生活習慣病予防、免疫力アップなどの効果に期待できるDHAやEPAが豊富に含まれています。
そのため、土用の丑の日にうなぎを食べるのは、栄養面からいってとても合理的なのです。
しかし、土用の丑の日にうなぎを食べるようになった背景には、もう少し面白いストーリーがあります。
時は江戸時代。
実はうなぎの旬は、もっとも脂が乗る10月~12月。つまり、夏のうなぎは脂のノリがいまいち。夏にうなぎを食べる習慣がなかった当時は、むしろ夏はうなぎが売れないため、うなぎ屋は苦労したそうです。
そこであるうなぎ屋が、江戸時代の異才であった平賀源内に相談したところ、彼が提案した「本日、土用丑の日」と書かれた看板を店頭に掲げるという案が大ヒット。見慣れない言葉に足を止めた客は、次々と平賀源内直伝の売り文句によりお店の中へと吸い込まれていきました。
この大成功を他のうなぎ屋も真似をするようになり、土用の丑の日にうなぎを食べる習慣がたちまち江戸で広がったといわれています。
土用の丑の日にうなぎを食べる習慣が、まさか旬を外れたうなぎを夏に売るための商売人の知恵だったなんて驚きですね。
成田のうなぎ屋で地物の天然うなぎを食べたかったら、夏の土用の丑の日よりも、うなぎがもっともおいしくなる秋から冬にかけての時期が狙いどころですよ。
とはいえ、やっぱり夏は夏で栄養満点のうなぎを食べて、夏バテを予防したいものです。
おいしいうなぎを食べるなら、うなぎとともに歴史を歩んだ成田市で食べるのがおすすめですよ。
成田のうなぎで舌鼓を打とう!
本記事では成田市とうなぎの関係と歴史について詳しく解説しました。
一つの通りに50店舗以上ものうなぎ屋が並ぶのは、世界広しといえども成田市だけでしょう。
おいしいうなぎを食べたければ、ぜひ成田へ足を運んでみてくださいね。成田とうなぎの歴史を知っていれば、味わいもひときわ増すはずです。
本記事を参考に、成田でおいしいうなぎをお楽しみください。