千葉グルメを味わう
千葉といえば、豊かな海産物が有名ですよね。アジにイワシ、タイ、スズキ、キンメ、カツオ……。お魚をご自宅で食べる機会も多いと思います。ところで皆さんはお魚を買う際、切り身を買っていますか?それともパックされたお刺身?
実は魚は、丸(丸ごと)で買うのがお得です。
なぜなら、魚を丸で買うと切り身や干物などよりも単価が安く、切り身も安くて新鮮なものが手に入るからです。さらに魚の頭やカマ、骨などを使ったアラ料理ができるだけでなく、半身は切り身や塩焼きに、半身は新鮮なお刺身に──といった使い方ができます。
「でも、お魚をさばけなければ無理でしょ?」
三枚おろしさえできれば大丈夫!三枚おろしは、決して難しい職人のテクニックというわけでなく、家庭にある道具だけで簡単にできるのです。今回は三枚おろしのやり方をていねいに解説します。ぜひご自宅で挑戦してみてください。お魚を安くおいしく食べられるようになりますよ!
三枚おろしのやり方
三枚おろしは、魚を三枚に切り分けることをいいます。三枚というのは「上身(うわみ)」「中骨(なかぼね)」「下身(したみ)」のこと。上身は魚の左半身の身で、中骨は背骨のこと。下身は右半身の身を指します。お魚屋さんなどでは、大体左半身を上にして店頭に置いています。なので、右半身が上身。
上身の方がストレスやダメージが少なく状態がいい場合が多いので、刺身にするなら上身、焼いたり煮たりするなら下見というように使い分けるといいですよ。
今回はアジを使って三枚おろしを解説しますが、ヒラメやアナゴなど特殊な形状をした魚以外には大体対応するので、アジの三枚おろしに慣れてきたら、ぜひほかの魚でもチャレンジしてみてください。サバなど骨が比較的柔らかい魚がオススメです。
それではさっそく三枚おろしをやっていきましょう!
①うろこを取る
尾から頭に向かって包丁の刃を滑らせるようにしてうろこを取ります。流水にあてながら行うと、うろこが飛び散らずにいい具合ですよ。うろこ引きがある場合はそちらを使ってくださいね。
②頭を切り落とす
胸びれと腹びれが頭側に残るよう、斜めに包丁を入れて頭を落とします。背骨の部分が少し硬いので、注意しながら力を入れてザクッと切り落としてください。
③腹に切れ目を入れる
肛門から頭にかけて腹に切れ目を入れます。できるだけ内臓を傷つけないよう、包丁の切っ先を使って行いましょう。
④内臓を取り除く
包丁でかき出すようにして内臓を除去します。
⑤血合いを取り除く
血合いというのは、魚の中骨に沿うようにある筋肉のことです。写真は魚の腹を開いたところ。背骨に沿って赤黒い筋が走っているのがわかりますか?これが血合いです。
包丁の切っ先を使って、この赤黒い部分に沿って2~3本、切り込みを入れます。
あとは流水にあてて血合いを洗い流すだけ。専用の歯ブラシなんかを用意しておけば、血合いを簡単に除去できますよ。
⑥水気を拭きとる
さらしやキッチンペーパーなどを使い、魚の水気を拭きとります。表面だけでなくお腹の中もしっかりと。血や血合いが落ちて身がきれいになりました。これで三枚おろしの準備完了です。
ちなみにここまでの作業を、お魚屋さんやお寿司屋さんでは「水洗い」といいます。
⑦下身を処理する
魚の頭が右を、腹側が自分に向くように置き、まずは下身から処理していきます。下身の腹から中骨まで切り込みを入れ、次に背側から中骨まで切り込みを入れて下身を切り離す──という手順でやっていきますよ。
最初に下見の腹側に、ガイドラインとなる浅い切り込みを写真のように入れてください。
次に、ガイドラインに沿ってもう少し深く包丁を入れます。
包丁の先が背骨にあたり「カリカリカリ」と音を立てる感触があれば、処理が成功している証です。そうしたら魚の上下(天地でなく上下です。つまり背側と腹側を逆転させるということ)を入れ替え、今度は背側から包丁を入れていきます。
こちらも腹側のやり方と同じく、まずはガイドラインを軽く入れます。
次に、ガイドラインに沿って包丁を深く入れます。
これで下身はほとんど外れています。あとは腹骨を断ち切って身を完全に外すだけ。尾側から包丁を通し、一気に身を外します。
これで下身の処理が完成。この時点では下身が外れただけで魚は二枚に分かれているので「二枚おろし」の状態です。
⑧上身を処理する
上身も同じ要領で処理していきますが、下見は腹側に包丁を入れてから背側に包丁を入れたのに対し、上身は先に背側に包丁を入れてから腹側を行います。つまり腹→背→背→腹の順に包丁を入れるということ。身の形状やまな板や包丁の兼ね合いから、その方が作業効率がいいからです。
上身、中骨、下身に分かれたら三枚おろしの完成です。