注文住宅のための土地探しと資金計画
──家を建てるときには工事費用以外にもお金がかかるのでしょうか。資金計画に入れておくべきものを教えてください。
宮浦:注文住宅を建てるときの資金計画には、建物の工事費用のほかに、外構工事費用、カーテンやエアコン、TVアンテナの取付費用、諸費用を盛り込んでおくことが必要です。外構工事費用は、フェンスやブロック、駐車場のコンクリート打設などにかかる費用です。外構工事費用は土地の広さやフェンスなどのグレード、駐車スペースの台数によって異なりますが、150万~200万円程度の予算を組んでおくとよいでしょう。
この他に、地盤改良工事費用が掛かることがあります。地盤や基礎の大きさによって金額は異なりますが、資金計画を立てるときには、改良工事が必要となった場合に備えて、予算組みをしておいた方が安心です。
──地盤改良工事費用が必要かどうかは、どういったタイミングでわかるのでしょうか。
宮浦:地盤調査は間取りと建物の配置が決まった段階で行うことが可能です。調査結果によっては予算組みしてある改良工事費用が不要もしくは減額となった場合、仕様のグレードをアップしたり、ローンの借入れ額を減額できたりしますので、可能な限り早く地盤調査を実施したいと考えています。
──諸費用に含まれるのはどういった費用なのでしょうか。
宮浦:住宅ローンに関するものでは申し込み手数料や保証料、火災保険料、抵当権設定の登記費用が必要です。登記費用は建物の所有権に関わる登記費用も発生します。住宅ローンの金銭消費貸借契約書や工事請負契約書には印紙代がかかります。また、新たに水道を引く場合は、水道引き込み工事費用や水道加入金が必要です。
──土地を購入する場合にはどのような費用が必要になりますか。
宮浦:土地を購入する場合は土地の購入代金や仲介手数料が必要です。土地によっては家を建てるために、例えば、排水の勾配がとれない土地では盛り土を行うといった造成費用がかかることがあります。弊社では、お持ちの土地や購入を検討されている土地を一度拝見させていただいて、家を建てるにあたってかかる可能性のある費用を資金計画に組み込むようにしていますので、是非ご相談ください。
──資金計画を立てるうえでの注意点を教えてください。
宮浦:資金計画はハウスメーカーによって仕様・内容に違いがあります。比較検討するためには、建物の仕様や水廻り設備のグレードはどのようなものなのか、エアコンやカーテンの金額を資金計画に含めるか、外装工事や地盤改良工事はいくらで予算組みしているかなど確認することが重要です。
また、資金計画といえば家を建てる時にかかる費用だけ考えておけばよいと思いがちですが、数十年後の家のメンテナンス費用のことも考えておく必要があります。月々の住宅ローン返済以外にメンテナンス費用による負担が増えるとローン返済がきつくなってきますが、弊社では屋根材は陶器瓦、外壁はタイルを標準仕様としておりますので、耐久性に優れ、メンテナンス費用が抑えられます。住んでからの費用の心配は少ないでしょう。資金計画は数十年後まで見据えて考えることが重要です。
家づくりには工事費用以外にも必要なお金があります。家を建てることを思い立ったら、貯金や収入からいくらくらいの家が建てられるのか、ハウスメーカーに相談するのがおすすめ。資金計画をしっかりやることが家づくり成功の近道だということがわかりました。
最終回となる第4回では、注文住宅の支払いで現金での用意が必要なお金や住宅ローンに関することについてお聞きします!