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免震構造とは?各構造との違いやメリット・デメリットを徹底解説

2021.09.06 (月)

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世界有数の地震大国である日本では、大震災などを機に何度も建築基準法が改正されてきました。耐震構造に加えて免震構造や制震構造が普及しつつありますが、免震・耐震・制震の違いがよくわからないという人もいるでしょう。

そこで今回は、免震構造の概要、耐震構造や制震構造と比較したメリット・デメリットについて解説します。構造ごとの特徴をしっかり押さえることで、マイホームにかかる出費を抑えつつ、自然災害に強い住まいを手に入れられるでしょう。


目次

  1. 免震構造とは?
    1. 耐震構造・制震構造との違い
  2. 【構造別】地震対策のメリット・デメリット
    1. 免震構造のメリット・デメリット
    2. 耐震構造のメリット・デメリット
    3. 制震構造のメリット・デメリット
  3. コストを抑えて地震に強い家にしたいときは?
  • まとめ

1.免震構造とは?

免震構造とは、建物と地盤の間に免震装置を設けて建物自体の揺れを軽減する仕組みです。基本的に「アイソレータ」と「ダンパー」という2種類の要素で構成されています。

アイソレータの役割は、大きく速い振動を小さく遅い振動に変えることです。アイソレータにはいくつか種類があり、建物を支える積層ゴムの特性を活かして揺れのエネルギーを吸収したり、ベアリングや鋼板の動きによってエネルギーを受け流したりすることで、建物の揺れを軽減します。

ダンパーの役割は、アイソレータの働きを助けつつ、揺れを短時間で止めることです。ダンパーも構造によっていくつかの種類に分かれており、オイルの粘性や金属の延性などを活かして揺れのエネルギーを吸収します。

また、免震構造は耐震等級3となることも大きなポイントです。耐震等級3の建物は、現行法の耐震基準を最低限満たす耐震等級1より1.5倍強く、震度7の地震が来ても軽い補修で済むレベルの耐震性を誇ると言われています。

1-1.耐震構造・制震構造との違い

耐震構造は、建材の材質や組み方を工夫して建物の強度を高める構造です。柱や梁を頑丈な素材で作ったり、柱の間に筋交いを付けたし建物を強くし揺れに耐えることで、建物の倒壊リスク軽減と安全な避難経路の確保を目指しています。耐震構造は、多くの戸建住宅に採用されている構造です。

制震構造は、建物内部に制震用ダンパーやおもりなどを取り付けて揺れを吸収する構造です。建物の基礎部分に装置を取り付ける免震構造に対し、制震構造は各階の床や壁の内側などに装置を組み込むことが特徴です。制震構造はもともと高層ビルなどに用いられていましたが、近年は制震構造の戸建住宅が増えています。


2.【構造別】地震対策のメリット・デメリット

マイホームを建てる際は、いつ来るかわからない地震に備えることが大切です。とはいえ、免震・耐震・制震のうち、どの構造を選べばよいかわからない人は多いでしょう。

ここでは、免震構造・耐震構造・制震構造それぞれのメリット・デメリットについて解説します。予算との兼ね合いなどを考えながら、最適な方法を選んでください。

2-1.免震構造のメリット・デメリット

免震構造のメリット・デメリットは、次のとおりです。

メリットデメリット
・地震発生時に建物内で感じる揺れはかなり小さい
・建物の倒壊・損傷リスクを大きく軽減できる
・家具や家電の倒壊・破損、二次災害を防ぎやすい
・建物を長持ちさせやすい
・設置コストが高い
・地震以外の原因で起こる揺れはそれほど防げない
・前例が少なく、対応できる施工業者が少ない
・地下室を作りたい人には向いていない

免震構造は地震による揺れの軽減に特化しており、建物内で感じる揺れはかなり小さくなります。また、家具類の転倒・破損およびそれらに起因するケガや火災などを防ぎやすいことも大きなメリットです。建物の揺れを軽減することで建物そのものの損傷リスクも抑えられるため、結果的に建物の寿命が長くなります。

一方で、免震構造はほかの構造よりも導入コストが高く、地震以外の揺れにはそれほど効果がありません。また、建物の土台部分に免震装置を設けるため、地下階を設けることはできません。

2-2.耐震構造のメリット・デメリット

耐震構造のメリット・デメリットは、次のとおりです。

メリットデメリット
施工事例が多く、設置コストが低い地震以外の原因で起こる揺れにも強い設置制限がなく、地下室を作れる地盤が弱い土地でも設置できる建物内で揺れを感じる揺れで家具や家電が倒れるリスクがある大地震の際は建物が損傷する可能性がある大地震の後など、メンテナンスに手間がかかる

耐震住宅は免震住宅と比べてローコストで設置でき、地震はもちろん台風などによる揺れにも強いことが特徴です。基本的にどの施工業者でも対応でき、また地下室を作ることもできます。近年は床一面を鉄筋コンクリートで覆う「ベタ基礎」が普及し、地盤が弱い土地でも高い耐震性を得られるようになりました。

ただし、耐震住宅は「地震の揺れを受け止めて耐えること」に重きを置くため、揺れそのものを軽減したり家具類の転倒を防いだりする効果はそれほど期待できません。

2-3.制震構造のメリット・デメリット

制震構造のメリット・デメリットは、次のとおりです。

メリットデメリット
・建物の倒壊・損傷リスクを軽減できる
・既存の建物に制震装置を取り付けられる
・2階以上の揺れにも強い
・メンテナンスにそれほど手間がかからない
・建物内で揺れを感じることがある
・地盤が弱い場所では効果を発揮しにくい
・建材の種類によっては、制震装置と相性が悪いことがある
・制震装置の取り付け方や配置などによって、効果に差が出やすい

制震構造は、建物に伝わった揺れのエネルギーを制震装置で抑えるため、免震構造と比べて建物内で感じる揺れは大きめです。とはいえ、壁のひび割れや家具の転倒などを防ぐ効果が期待でき、設置コストはそれほど高くありません。建物のカタチや壁の位置を見ながら制震装置を設置するため、地面から離れて遠心力が働きやすい上階の地震対策にも有効です。

しかし、中古住宅の場合、リノベーションするときに制震装置を取り付けることも可能ですが、太く重い建材とはあまり相性がよくないため注意が必要です。また、同じ性能の制震装置でも、設置する個数や場所によって効果が変わることがあります。制震効果を最大限に得たいなら、制震構造に詳しい施工業者に相談するとよいでしょう。


3.コストを抑えて地震に強い家にしたいときは?

免震構造は地震による揺れやさまざまな二次災害を防ぐうえで高い効果を発揮する分、設置コストがかさんでしまいます。出費を抑えつつしっかり災害対策をしたい人は、免震構造と耐震構造の長所を併せ持つ「制震構造」を検討してみましょう。

ワールドハウスでは、設計・デザインの自由度が高い木造軸組工法に、面で支えるパネル工法と断熱材で家全体を覆う外張断熱工法をプラスした「KJP外張断熱工法」を標準採用しています。ワールドハウスのKJP外張断熱工法と制震装置の作用によって、地震などの際に外から建物にかかる力を分散することが可能です。さらに、断熱性とヒノキで建てる構造材で、快適な住み心地を保ちます。

ワールドハウスは、千葉県や茨城県で注文住宅の設計・施工を行っている会社です。50年以上にわたり、質の高さと適正価格にこだわった住宅をお客様に提供し続けています。入居後のお困りごとに関するアフターサービスは365日対応可能です。コストを抑えて災害に強い家を建てたいときは、ワールドハウスにぜひご相談ください。


まとめ

一般的な戸建住宅の地震対策は、免震構造・耐震構造・制震構造の3種類に分かれます。免震構造は地震の揺れと二次災害リスクを軽減できる点がメリットですが、相応の工費がかかります。また、耐震構造は地震以外の揺れにも備えられるものの、地震の振動が直接建物に伝わる点がデメリットです。

その点、制震構造は2階以上におよぶ揺れにも強く、建物の倒壊・損傷リスクを軽減できます。自然災害に強い家を建てたい場合は、地震以外の災害リスクや費用面も考慮しながら慎重に決めることをおすすめします。


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