千葉ゆかりのあの人に聞く　Chibaの魅力

榊原忍さん
（千葉テレビ放送編成制作局局長）後編

ライター/藤本民

地元で愛されるチバテレの魅力

千葉テレビ放送（チバテレ）は、千葉県で50年以上にわたって親しまれてきた地元の放送局です。榊原忍さんは新卒でチバテレに入社して以来、ご当地ヒーローが出演する人気番組「チュバチュバワンダーランド」やチバテレ主催イベントなど、テレビと視聴者をつなぐ事業を多く手がけてきました。

後編では、千葉に根ざし、地元で愛されるテレビ局を目指して仕事をしてきた榊原さんの想いを聞きました。

榊原忍さん

千葉テレビ放送株式会社放送本部編成制作局長。1990年千葉テレビ放送入社。オリジナルキャラクター（ご当地ヒーロー）の企画や、自社主催のイベント「スマイルフェスティバル」など、テレビと視聴者をつなげる事業を数多く経験。

──チバテレについて教えてください。

チバテレは千葉県を放送エリアとした地上波放送局です。歴史も長く、2021年で開局50周年を迎え、地元に根差した番組を多く作ってきました。チバテレの代表的な番組として、夏の高校野球千葉大会やカラオケ大賞があります。

高校野球は、野球好きな視聴者だけでなく、家族、同級生、OBといった出場選手の身近な方がとても楽しみにしてくれています。また、カラオケ大賞は、テレビのスタジオセットで自慢の歌声を披露する視聴者参加の長寿番組です。どちらの番組も主役は地域の方々です。

――チバテレならではの魅力は、どこにあるのでしょうか？

キー局のように予算をかけてタレントさんを呼んだり、ドラマを制作したりは必ずしもできるわけはなないので、どうすればチバテレならではの魅力を発信できるかというのを常に考えてきました。

▲インタビューに答える榊原さん

子どもたちに人気の番組「チュバチュバワンダーランド」では、幼稚園キャラバンやイベントの様子を放送したり、視聴者から募集したダンス映像を流したりしました。その中でよく聞いたのは、「うちの子がテレビに映っていたから見た」という声です。

高校野球もそうですけど、「自分の学校が映っている」とか、「中学だったとき同級生だった子が映ってる」とか。知っている人が出ているというのが、一番身近に感じていただけるところだと思います。

それこそが、地元のテレビ局であるチバテレの魅力になっているのだと感じています。

――視聴者参加型のコーナーも広げていると聞きます。

今年から千葉県民の皆様に、どんどんチバテレに出ていただくというキャンペーンをやっています。その一環として、県民出演CMを作っています。人が集まる場所に撮影隊が行って撮ってきた映像を、スポットとして色々な番組の合間に流しています。

また、朝の情報番組「モーニングこんぱす」の中に、ヒーローインタビューというコーナーがあります。そこでは、身近なヒーローを自薦・他薦問わず紹介しています。県内のスポーツクラブや学校の部活に、こんなに頑張っている人がいるということを紹介するコーナーです。

そして、「モーニングこんぱす」のセットには県民カウンターというカウンターがあって、今日までに何人の千葉県民が出演したかがわかるようになっています。

▲チバテレのスタジオにある県民カウンター

──地上デジタル放送開始に伴って、サブチャンネルも開局されました。

はい。地デジ化によって、1局で2波放送できるようになりましたが、全国的にサブチャンネルを活用している局は少ないです。

チバテレでは、コロナ禍で学校が休校になったときに放送したテレビ授業が大変好評だった事をきっかけに、サブチャンネルを子どもたちの未来に向けて、良いコンテンツをどんどん流していくチャンネルにしたいという思いをこめて「チバテレミライチャンネル」と名付けました。そして、県内の高校生が制作した動画や、演劇、軽音楽コンテストなど、メインチャンネルでは放送が難しい番組も多く放送しています。