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横洲かおるさん
(劇団四季出身のミュージカル女優、歌手、ボイスアーティスト)後編

フリーライター/長谷川富美

歌は私のこころ、私の分身。だからこそ私は輝ける

劇団四季という華やかな舞台に立つために、どれだけの汗と涙が流されてきたのだろうか? 横洲かおるさんは劇団四季を巣立ち、今自分の翼で羽ばたいている。誰からの束縛もなく、ひとりの女性として、自由に歌声を響かせている。誰のためでもなく、自分自身が輝くために。

横洲かおるさん

東京都杉並区出身、千葉県船橋市在住。東京学芸大学 教育学部卒業後、劇団四季に入団。ミュージカル女優として活躍。退団後に船橋市に移住し、共栄学園講師を勤めるかたわら、歌手、司会、作詞作曲、ボイスアーティストなどマルチに活躍中。CD「未来へ」をリリース。ロッテマリーンズでは、国家斉唱。「NHKひるまえほっと」など、多数のメディアで報道されている。

劇団四季の舞台に立てるのは、選び抜かれたひとにぎりの人

──横洲さんは劇団四季でご活躍されていました。全国から応募者が来るので、入団はすごい倍率ですよね。

研修生として入って、半年後には半分の人数に絞られるんですよ。半年後、下駄箱の靴が本当に半分無くなったんです。それから配役されて、舞台に立てます。

──厳しいんですね。四季の舞台に立てるのは、本当に選び抜かれたひとにぎりの人なんですね。周りにはどんな方がいらっしゃいましたか?

同期で、NHKの朝ドラや紅白に出演した吉原光夫さんがいます。「レ・ミゼラブル」のジャン・ヴァルジャン役で主役を張っていた人です。「イヨマンテの唄」があまりにも圧巻で、人気になりました。

──劇団四季の高いレベル感がわかりますね!


▲劇団四季「オペラ座の怪人」

退団してからが、本当の意味で歌う道のりのはじまりでした

──船橋市に越してこられてからは、パワフルに色々な分野のお仕事をこなしていらっしゃいます。すごいバイタリティですね。

歌が生活の中心なんですよ。それがなければ、ここまでがんばれない(笑)。

──劇団四季を退団されてから、本当の意味で歌う道を模索し始められたのではないでしょうか。どこにも所属せずフリーで開拓し、ここまで基盤を築かれた。そこが横洲さんの芯の強さだと思うのですが。

やめようかと思った時期もありますよ。息子も生まれて、子育て真っ盛りの時期でした。歌以外の講師の仕事もしました。でもなぜか、歌う方向に周りが動いていくんです。

自然に、いろんな歌のお仕事がするすると寄ってきて。歌うことを課せられているのかな、と思うくらい。何より歌が好きなんです。


▲千葉ロッテマリーンズで、国歌斉唱

「結婚したら女の人は終わり」って、おかしいでしょ

──「素敵なお母さんコンテスト」で、日本でグランプリ、世界大会で準グランプリを受賞されました。結婚して子どもが出来ると、どうしても家族中心で、生活やつれしてしまったりすることが多いと思うんです。いつまでも輝き続ける秘訣があったら教えてください。

ある打ち合わせで、音楽関係のスタッフの方が、私の隣の女の子に向かって「結婚したら女の人は終わりだ」と話していたんです。それって、おかしくない?と思いました。悔しいというか。

結婚していようがいまいが、いいじゃないと思うじゃないですか。じゃあ、母親じゃなきゃできないことを絶対してやろうと思って。それである新聞に掲載されていたコンテストに応募したんです。

母親じゃなきゃ、絶対にできないことをやってみせる

ある企業が主催していたコンテストでした。書類審査で残った10人がウェディングドレスを着て、自己PRをしたんです。

──お母さんが、ウェディングドレス! 素敵ですね。

ドレスを着て、ヘアメイクさんにセットしてもらって、ウォーキングの練習をして。

本番は息子と一緒にウォーキングをして、自己PRをして、歌を歌いました。それでグランプリを獲得しました。新聞では「音楽を交えた子育てをしている」と書いていただいたんですよ。

──それから世界大会に進出されたんですね。

中国の深圳で、シンガポールやマレーシアなど世界8カ国から参加していました。

歌は無しと言われたんですけれど、ウォーキングと自己PRの後、間髪入れず歌ったんです。そして準グランプリでした。

本当はグランプリの中国の方と同点だったと、後で聞きました。その方は、プロの歌手になっていましたね。


▲正統派ミュージカル歌手として、聴衆を魅了する

横洲さんのように、女性が自分らしく輝き続ける秘訣は

──素晴らしいですね! 輝いていく秘訣は、自分にとって大事なものを生活の中心に置き、自分というものを失わず、環境と上手につきあっていくことでしょうか?

そうですね。私の人生の中心は、歌なんです。

──妻であり、母であり、アーティストでいらっしゃいます。たくさんのタスクをこなされる中で、心の整え方を教えてください。

今は歌う事をどれだけピュアにできるかを、徹底して考えています。歌える体を整える事が、まず大事なんです。

歌にとってよくない事は絶対にしない。喉を痛める事も絶対にしません。

歌って、自分の分身だと思うんですね。納得できる歌が歌えるように、素の私を日々磨いていかなきゃって思うんです。


千葉県アーティストとコンサートでカーテンコールに応えて

──ありがとうございました。これからも女性が憧れるアーティストとして、ずっと輝き続けてください!

関連情報

▼横洲かおる オフィシャルサイト
https://www.k-yokosu.com/

▼横洲かおる ファーストシングル「未来へ」

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