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燻製料理で暮らしを豊かに
DIYで燻製器を作ろう③~ガラス扉作り編~

中が見えて燻煙作業も効率的!高機能燻製器を仕上げよう

「本格的な燻製料理をおうちで作りたい!」

そんな動機で始まった、高機能燻製器をDIYする様子をレポートする当シリーズ。前回は燻製器の本体を組み立て終え、今回いよいよガラス扉の製作に着手します。

当シリーズ第1回目では、燻製器を作るのに必要な道具と材料、簡単な設計図をご紹介しているので、燻製器を自分で作ってみたいという方は併せてご覧ください。

それではさっそくガラス扉を作っていきましょう!

ガラス扉を組み立てる

ガラス扉は、表側と裏側の2枚の木枠でガラスを挟む形で作ります。

使用する各種板材のサイズは以下の通りです(単位はmm)。

【表側】

  • 52×426×13…2枚
  • 52×976×13…2枚

【裏側】

  • 52×322×13…2枚
  • 52×976×13…2枚

見た目にもこだわりたいので、表側の枠は上の写真のように端を斜めにカットして組み立てます。端から板の幅分(52mm)の位置にマーキングし、そこから対角線上の角に向かって線を引き、その線に沿って手のこで切り落としましょう。

表側に使用する板材の4本すべての端をこのように斜めに切り落とします。

裏側に使用する板材は、ガラスをはめこむ分の溝をトリマーで掘りましょう。トリマーで掘る溝の幅は14mm、深さはガラス板に合わせて掘ります。ガラス板の厚みは5mmですが、ぴったりすぎると木材のゆがみやねじれなどでうまくはまらない可能性があるので、1mmの遊びをとり6mmの深さにしました。

写真のように、あらかじめ掘る位置を計測しマーキングしてから作業すると失敗しにくいですよ。

板材を加工したら塗装して組み立てます。

扉の板材も本体同様、見える部分だけ塗装すればOK。

写真は、裏側の枠を接着剤とダボで組み立ててガラスをはめこんだ様子です。ここからさらに接着剤とダボを使って、表側の枠と裏側の枠を貼り合わせます。

あとは接着剤が乾くまで放置。ここまでくると、ダボ作業も慣れたものです。念のためガンタッカーで枠のつなぎ目などを補強したら、次は温度計や取っ手などを扉に取り付けていきます。

温度計を取り付ける

燻製器は全長1126mmもあるので、2ヶ所に温度計を設けました。今回使用した温度計はこちらのスモーカー用温度計です。

ドアのお好きな位置にドリルで穴を開け、接着剤でくっつけます。

ドアの外側に寄りすぎた位置に温度計を設置すると、温度計のセンサープローブ(温度を計測するための長い部分)が本体に引っかかって、扉の開閉ができなくなってしまう可能性があります。温度計を設置する前に、センサープローブが扉の開閉に干渉しないかどうかよく確認してくださいね。

ちなみに、燻煙時は燻製器の下の方よりも天井に近い方が温度が高くなりやすいです。なぜなら、スモークウッドなどから出た煙は熱を持っており、その煙が上へとのぼるからです。

一方、熾火状態のスモークウッドも熱源ですから、スモークウッドの周囲の空気も熱を持っています。

DIY燻製器で冷燻(15~30度の低温で燻煙する方法)するなら、燻製器の真ん中くらいの段。温燻するならスモークウッドに近い下段か、熱を持った煙が充満している天井に近い段が理想的です。これらを念頭に置いて温度計を設置する位置を決めるといいですよ。

蝶番を取り付ける

次に、蝶番で扉と本体を接続します。蝶番はドアの重量に見合った強度があるものをガラス扉用に2つ以上、ミニ扉用に1つ用意しましょう。

ガラス扉は意外と重いので、ある程度の耐久力がある蝶番を選ぶのがポイントです。

蝶番を取り付けたら、次はマグネット式のドアキャッチを取り付けます。

ドアキャッチを取り付ける

ドアキャッチとは、ドアが勝手に開かないよう固定しておくためのものです。ドア側と本体側それぞれにパーツを取り付けます。

特に今回作ったガラス扉は、勝手に開くと重量により燻製器がバランスを崩して転倒し、ガラスが割れてしまう可能性があります。ですからドアキャッチは必ず取り付けましょう。マグネット式でなくてもかまいませんよ。

ネジで取り付けるだけなので簡単です。

取っ手とゴム足を取り付ける

取っ手はお好みのものでかまいません。もし余裕があるなら端材を利用して取っ手を自分で作ってみるのも、オリジナリティを高められて楽しそうですね。

今回はアイアンの取っ手を採用しました。

また、ゴム足は燻製器を縦横どちらでも使える仕様にしたいので、底面に4個、側面に4個の計8個を使います。

今回使用したゴム足のサイズは、上部外周24mm、下部外周30mm、高さ19mmのEPDMゴムです。あまりサイズが小さいと使い勝手が悪くなると思うので、最低でも上記以上のサイズのゴム足がいいでしょう。

ゴム足を取り付けました。残す作業は写真の通り、スモークウッドなどを乗せたトレーを出し入れするためのミニドアの取り付けだけです。

燻煙中にスモークウッドが消えてしまうことがたまにあります。そういう時、燻製器の下部に小さなドアがあると、燻製器の中の煙をむだに逃がすことなく効率的にスモークウッドやチップを交換できます。ささいなようで意外と重要なパートです。

ミニドアの製作は、426×150×13の板材に取っ手と蝶番とドアキャッチをつけるだけなので簡単です。

あっというまにミニドアの完成です。

完成!

というわけで、ついにDIY燻製器の完成です!

作業に要した時間はおよそ4日。塗装の乾燥待ち時間を除けば2日程度でしょうか。かなり高機能な燻製器ですが、作りはそれほど複雑ではないので、DIY初心者~中級者には挑戦しがいがあると思います。

次回は、このDIY燻製器を実際に使う様子をお届けします。お楽しみに!

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