千葉ゆかりのあの人に聞く Chibaの魅力
「生きている花には、不思議なパワーがあるんです」と、静かに微笑むフラワーアーティスト・早川のり子さん。コロナ禍の時代、家で過ごす時間が多くなっています。特別な日や贈り物のためではなく、ごく普通の毎日の暮らしの中で、さりげなくシンプルに癒やしや安らぎを求めて、生花を飾る人も増えています。早川さんに千葉県佐倉市での、花と共に暮らすライフスタイルを語っていただきました。
早川のり子さん
(フラワーアーティスト・早川のり子フラワークリエーションアカデミー主宰)
千葉県佐倉市在住。22歳で生け花(古流)の師範に。その後ヨーロピアンフラワーアレンジメントを学び、和と洋を融合させた独自の自由花のスタイルを確立。1992年「早川のり子フラワークリエーションアカデミー」を主宰するとともにフラワーショップをオープン。西洋の華やかさと、和の華道の技術を駆使したオリジナリティ溢れる繊細な造形の美しさは高く評価されています。テレビ出演(NHK他)・雑誌・写真集・舞台装飾など活躍中。
──素敵なお店ですね。まるで本当にヨーロッパのお城にいて、ここだけゆったりと静かに時が流れているような。毎日の喧騒を忘れられる、非日常の癒やしの空間ですね。
ありがとうございます。そうおっしゃってくださる方も、多いんですよ。
──早川さんも本当におきれいで。しっとりとした花のようですね。花もインテリアもなにもかも、思わずステキ!を連呼してしまいます(笑)。本日はよろしくお願いいたします。
こちらこそよろしくお願いいたします(笑)。
──まず千葉県や佐倉市の住みやすさ、魅力などをお教えください。
この佐倉市というところは、歴史のある街です。そして緑も豊かで便利。東京の市場まで花の仕入れに行くんですけれども、アクセスがすごく良い。東京との程よい近さも、ここの魅力のひとつですね。
──早川さんにとって、家族の住むマイホーム・家とは、どういうものでしょうか?
家って、建てて終わりというものではないんですね。家族一人ひとり、それぞれ家に関わりや責任があって、それを通して学ぶこと、成長することがたくさんあるんです。家が人を育むんですね。
また人も家を育てていくものだと思います。それこそ庭の木ひとつとっても枯れてしまったりしますし、補修もしていきますから。家は人の夢を形にするもの。そして人と家は、お互いを育てあっているんです。
洗練された都会の魅力の歌手「ダ・カーポ」のステージ花も手掛けて
──西武池袋コミュニティカレッジの講師を依頼されていらっしゃいます。どういうきっかけだったのでしょうか?
生徒さんと花展を開いていまして。たまたまいらっしゃったのが、西武池袋コミュニティカレッジのかなり上の立場の方でした。講師をということでお声がかかったんです。
──やはりプロの方は、ひと目で早川さんの実力がおわかりになるんですね。また素敵な写真集を「文化出版局」、「講談社インターナショナル」からは英語版で出版されました。海外からの反響はいかがでしたか。
出版した当時は、ドイツの出版フェスティバルで目立つところに置かれ、好評だったと聞いています。夫がフランスにいたことがあって、あちらにもお友だちが結構いるんです。書店で見かけたりと、好評だったそうです。
──NHKにもご出演され、舞台装飾にもたずさわってご活躍中ですね。
舞台ですと、ピアノのコンサートですとか。ダ・カーポさんの舞台のお花も生けさせていただいたことがあります。NHKが放映してくださったところなんですが、美容室に毎週飾るお花も楽しみにしていただいているんですよ。
コロナの時代だからこそ、生活の中に花の癒やしとうるおいを
──私もお花が好きで。ほんの一輪でも生きたお花があると、気持ちが楽になりますね。
私たちにすごく影響を与えているんですよ。生徒さんの中でもずっと治らなかった頭痛が、スクールにいらして完全に治ったという方もいらっしゃいます。
主婦っていろいろな環境のなかで、ひとりで背負って自分を苦しめたり、行き詰まってきてしまったりすることもありますよね。そうすると、何か自分が癒やされる時間というものが、とても大事になってくると思います。
みなさんスクールにいらしてくださる1時間だったり、2時間だったりをすごく大切にしてくださる。花を生けることだけが目的ではなくて、自分の癒やし、自分の時間を大切にしていらっしゃる方が多いですね。
コロナの時代だからこそ、お花を生活の中に取り入れるということは、とても理にかなっていると思うんです。
生け花も花選びで決まる 選ぶ知識と感性から磨いて
──ふだんの暮らしのなかで花を楽しむための知恵を、アドバイスしていただけますでしょうか?
まずは買う側も賢く、どういうお花が長く楽しめるのかを知っておくことです。たとえば、うちは冷蔵庫を使っていません。花屋さんにある冷蔵庫は、花が咲かないように温度管理しているんです。ですから冷蔵庫から出すと温度差がありすぎて、花がすぐに散ってしまう。
店頭に花を並べてあることも多いです。でもお花って風にあたると、すごくダメージを受けやすいんですね。だからそういうお花は、避けた方が無難です。
生け花も、実は花選びで大半決まってしまうんです。組み合わせていい花とダメな花など、花を選ぶ知識と感性を磨いていくのはとても重要なんです。そこからはじめているフラワースクールというのは、ほとんどないんじゃないかと思いますよ。
関連リンク
「花の西洋館」公式ホームページ
https://www.hananoseiyoukan.com/
NHK放映「咲かせよう千葉」
https://www.facebook.com/hiroshi.kondo.549/videos/1509092739275222/
【写真集】
「いつもそばに花がある」文化出版局
「SIMPLE FLOWERS」講談社インターナショナル 海外向け・英語版