千葉ゆかりのあの人に聞く Chibaの魅力

大野靖之さん
(シンガーソングライター)前編

1000回以上も「学校ライブ」を続ける原動力

「涙が出ます。あなたの歌を子どもたちに聴かせたい」。ライブを聞いた一人の先生の言葉。それが、子どもたちをたった90分の短いライブで涙させてしまうシンガーソングライター、大野靖之さん誕生のきっかけでした。感動は全国へ広がり、いつしか「歌う道徳講師」と呼ばれるように。活動開始から17年。歌い続ける大野さんに、今の思いを出身の千葉県印西市の魅力とあわせて語っていただきました。

大野靖之(おおのやすゆき)

2005年メジャーデビュー。47都道府県を制覇した日本全国での学校ライブは、現在1032回。活動は高く評価され、新聞、テレビ、ラジオなど多数出演、CMにも起用された。2008年、人間力大賞(青年版国民栄誉賞)ではグランプリを受賞。数校で非常勤講師を務め、9校の学校の校歌制作。道徳・家庭科の教科書に歌詞が使用された実績も。きずな出版他より著書が発売中。

──学校ライブをはじめて17年。大野さんが歌い続けられるのはなぜでしょう?

もう歌が好きだからですよ!人生のなかで、僕が出来ることのなかで、最もまともにできるのが音楽で。本当なんですよ(笑)。勉強なんかもビリの方で。

──ご謙遜ですね(笑)!生徒会長だったとうかがっています。

目立ちたがり屋で、人を楽しませたり、笑わせたりするのが好きなだけだったんです(笑)。今の時代を生きる子どもたちに、ちょっとでもこれからの人生にプラスになるものを届けたいという気持ちはあります。でもそれ以上に、たくさんのお客さんの前で歌えるという幸せをかみしめているんです。

──そんな大野さんに、現在の心境や千葉県の魅力についてうかがっていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします!

こちらこそ!

──印西市へはいつ頃引っ越してこられたんでしょうか?

小学校にあがるタイミングでした。それまでは我孫子市に住んでいたんです。今では千葉ニュータウンという街がとても発展していて、イオンモールやコストコもできましたね。住みやすい街の上位に入るステキな街に育ってくれています。

今では駅から数キロの範囲にショッピングモールや施設が充実しているので、必要なものがすぐに手に入りますね。東京にも北総線を利用すれば都心にも出やすいし、成田空港もすぐ近くなので、海外に行くときにもとても便利だと思います。それでいて自然があふれていてのんびり暮らせて、子育てもしやすい、本当に素敵な街だと僕は思います。

 「中学生が歌を聞いて泣く。すごい授業だ」感動が全国に広がって

──学校ライブをはじめられたきっかけは?

詩人の相田みつをさんのご子息の相田一人(かずひと)さんという人が、相田美術館の館長をなさっています。その方が千葉県多古町のホールで講演会をされることになり、主催者の方から、前座でミニライブをやってくれないかというお話をいただいたんです。

終わった後に声をかけてくれた先生がいて、「感動して涙を流してしまいました。大野さんの歌をうちの生徒たちに聞かせたいから、学校にきてくれませんか」というお話をいただいたんです。もう本当に歌える場所があることがただただ嬉しかったので、ぜひ行かせてくださいと、行くことになったんです。富里市立富里中学校という学校でした。

命の大切さを学ぶ授業を1年間続けてきて、まとめとしてライブをしてほしいという依頼だったんです。僕が高校3年生の時、母が乳がんで亡くなっていまして、母のことを歌った曲があります。先生はその曲を生徒たちに聞かせたいと。

──「天使の舞い降りた朝」ですね。

そうです。当日は90分くらい時間を与えられたんですね。はじめて学校で歌う僕にとってはもう、強烈なプレッシャーというか、大丈夫なのかあと思いました。僕なりにいろいろこういうライブをしようと考えてやったんです。

そうしたら生徒たちが、感動して泣くんです。その姿を僕も間近に見ましたけれど、すごく僕もそれに驚いて。中学生が歌を聞いて泣くんだ、と。感動したのは僕だけじゃなくて見ていた先生たちが、「これはすごいことだ。これはすごい授業になる」ということで、富里の先生方が広く他の学校にも広げてくださったんです。

それで他の学校にも呼ばれるようになって、呼ばれたら全部に行きました。そこから新聞やテレビに取り上げられるようになったんです。あと、教科書にも載ったりして。


▲1000回以上続けている「学校ライブ」。大野さんの歌を聴いて涙を流す生徒も多い。

──道徳と家庭科の教科書でしたね。

初めは道徳なんです。今の道徳は教科化されて教科書として使用されてるんですけれど、当時はまだ教科化されていなくて、副読本として僕の「天使の舞い降りた朝」の歌を元にした物語を書いてくださって、それがのちに教科書にも採用されました。

家庭科の教科書では、「アンジェラ・アキさんの歌が載っていたページを、次は大野さんの作った歌で」と、出版社からお話をいただきました。そういったことも大きくて、日本全国に広がっていったんですね。


▲大野さんの歌が掲載された道徳の教科書

──CMにも起用されましたね。

乳がんの早期発見と早期治療を伝えるピンクリボンフェスティバルの活動で、山田邦子さんや、アグネス・チャンさんたちと毎年パーソナリティをさせてもらいました。その時のテレビCMで歌が起用されたことがあります。

校歌制作で一番に考えることは、子どもたちが校歌を好きになること

──印西市立牧の原小学校で校歌を作っていただいています。

いつも校歌を作る前には、子どもたちから言葉をもらうんです。登下校の風景とか、街の印象とか。どんな街の資料よりも、生きた言葉になります。

牧の原小学校ではすごく斬新なことをしたんです。校歌に手拍子を入れました。みんなで手拍子するところがあって、それが僕にとっては思い出深いですね。

一番に考えることは、子どもたちに校歌を好きになってもらうこと。そういう校歌を絶対作ろうと思っています。

関連リンク

大野靖之さんのオフィシャルブログ
https://lineblog.me/oonoyasuyuki/

大野靖之紹介ムービー
https://youtu.be/u1dgIBCqfMg

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