家族で楽しむ!千葉のオススメスポット

Vol.2:科学で人と地域をつなぐ!
若手研究者たちが運営する
「手作り科学館Exedra」後編

子どもから家族へ 広がる科学コミュニケーション

来館者がゆったりと楽しめるよう、北欧の暖炉のある家のリビングをイメージして作ったという館内は、すべてDIY初心者の研究者たちの手作業で改修したもの! 

オーナーの厚意で空きアパートを1棟すべて借り受け、助成金やクラウドファインディングで何とか資金を調達して1年半かけて完成にこぎ着けました。


いちばん初めは、こんな様子でした…。


たくさんの方にお手伝いいただき、作業が進んでいきます。

「想像以上に大変で、KSELのメンバーの他にもたくさんの方にお手伝いいただきました。開館後は『DIYに興味がある』『空き屋を改修したと聞いて来てみた』という方もいらっしゃり、『手作りらしい味があるのがいい』という感想もいただいています。『これは大変だったね!』と驚かれることもあります」


ついに完成!

この活動の前には、柏の葉地区のマンションのモデルルーム作りに携わったことも。
東大生と地元のママがアイデアを出し合い、「学びのある住まい」を実現するという、子育て中のパパ、ママにとっては見逃せない企画。
このインテリア監修をKSEL会長の羽村太雅さんが担当したのです。

「宇宙が大好きなご家族が暮らしたら」というインテリアのテーマに沿い、「見せる収納」には、羽村さんこだわりの小物や本がいっぱい。

リビングには子どもと大人が一緒に使える書斎や大きな本棚、子ども部屋は勉強部屋ではなく「好きを極める」場所に。

魅力的な住まいは反響が大きく、すぐに売れたそうです。

「柏周辺は、都内へのアクセスが良い場所ですが、子どもがのびのび遊べる自然もたくさん残っています。大学や研究所といった最新の研究が行われている現場が身近に多数あり、知的な香りがするのも特徴の一つ。人と人とのコミュニケーションに前向きな方も多く、適度に街が小さいこともあり、面白い人に出会う機会がたくさんあります。学びに適した環境と、学びに前向きな人が集まるこの地域は、子育てをする世代にも住みやすく、かつ情操教育にも良い場所だと感じますね」

お子さんがイベントでの体験や、科学館でのスタッフとの会話を家庭で話題にしたことをきっかけに、「家族そろってイベントで行った海に行ってみました」「子どもに感化され、親も興味を持つようになりました」というご家庭も多いそう。そういった科学コミュニケーションの広がりは、宮本さんたちの目標であり、大きな喜びです。

新型コロナウイルスの感染拡大により、Exedraもしばらく閉館していましたが、現在は予約制で開館中。ゆっくりと館内を楽しめると好評です。「今後はショッピングセンターの休憩スペースに展示物を置くなど、科学に関心がない方にも興味を持ってもらえるような仕組みや工夫を考え、さらに地域が活性化する活動を広げて行きたい」と宮本さん。

柏に来て、家族で「科学」とふれあってみませんか?

今回、お話いただいたのは…

宮本千尋さん
東京大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻を経て、20204月から大学の非常勤講師を務める。主な研究対象は、大気中に浮かぶ小さな粒子「エアロゾル」。進学のため上京してきた際に「柏の葉サイエンスエデュケーションラボ」の活動を知り、参加した。現在は「手作り科学館 Exedra」副館長として、イベントの企画や運営を行いながら、団体の法人化をめざしている。

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