家族で楽しむ!千葉のオススメスポット

Vol.1:科学で人と地域をつなぐ!
若手研究者たちが運営する
「手作り科学館Exedra」前編

熱いトーク、実験、工作、自然体験に目を輝かせる子どもたち

イベントでは、星座の立体星図を作ったり、セミの羽化を観察したり、海や川で一緒に「なぜ?」を考えたり。
そんな自然体験や実験、工作も人気の理由ですが、魅力の一つはやはり普段なかなか会えない「研究者」とふれあえること! 

特に、毎回さまざまな分野の大学院生や若手研究者が登場する人気企画「研究者に会いに行こう!」は、生い立ちや研究への思いを交えた熱いトークが、子どもたちのココロをとらえています。

「研究者も小さい頃は自分たちと同じ疑問を持っていて親しみを感じた」

「ワクワクした気持ちでいつも研究している様子が印象的だった」

子どもたちからは、そんな感想が寄せられています。

「私が講師を務めたイベントに何度か参加してくれた男の子は、初めは全く興味なさげでしたが、『聞いてみたら面白かった』と、ある時、私の研究に関係する新聞記事を切り抜いて持ってきてくれました。実験や工作で目を輝かせる子もいれば、研究所の写真を見て『かっこいい!』と興味を持ってくれる子、自然の中で自分が発見したものにどんどんハマっていく子もいます。きっかけはそれぞれ異なりますが、子どもたちの目の色が変わる瞬間に立ち会える時は、こちらもぐっとくるものがありますね」

ボランティアで活動するKSELには大学院生だけでなく高校生、大学生、社会人も加わっています。
もともとはイベントの参加者だったメンバーも多く、なかには小中学生の時にイベントに参加していた人が成長し、メンバー入りするうれしいケースもあるそうです。

「研究者に会いに行こう!」は「大人も参加したい」という熱烈なリクエストに応え、2019年度から子ども向けと大人向けの両方を開催するようになりました。
科学の話を気軽に楽しむ大人向けのサイエンスカフェなども行っており、子どもにも大人にも科学ファンを増やしています。

「研究者と実際に交流し、人間らしい側面を知ってもらうことで、その人に対する興味から、取り組んでいる研究にも興味を持ってもらうことができると考えています。子どもの『理科離れ』が問題視されるようになってずいぶん経ちますが、子どもたちと比較的年齢が近い若手研究者との交流は、解決の一つの糸口になると思っています」

宮本さん自身、研究者への興味の始まりは、子どもの頃から家族で近くの天文台に通い、そこで解説してくれる研究員と親しくなったことでした。
「今度は自分が今の子どもたちのきっかけになれたら、という思いで活動しています。子どもたちから『研究者って意外にしゃべりやすいし、遠い存在じゃない。自分でもなれるかも』と思ってもらえるのは、とてもうれしい」と宮本さん。

子どもたちの夢の始まりは、そんな素敵な出会いからかもしれませんね。

今回、お話いただいたのは…

宮本千尋さん
東京大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻を経て、20204月から大学の非常勤講師を務める。主な研究対象は、大気中に浮かぶ小さな粒子「エアロゾル」。進学のため上京してきた際に「柏の葉サイエンスエデュケーションラボ」の活動を知り、参加した。現在は「手作り科学館 Exedra」副館長として、イベントの企画や運営を行いながら、団体の法人化をめざしている。

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