千葉グルメを味わう
「日本酪農発祥の地」といわれるほど、千葉県では畜産が盛んです。
チバザビーフに代表されるように、千葉県では銘柄牛肉のPRにも力を入れており、おいしい牛肉がスーパーや近所のお肉屋さんなどで手軽に購入できるのがうれしいですよね。
さて、今回ご紹介するのは、そんな牛肉の中でも牛の内臓である「ハチノス(牛の胃)」を使ったイタリア料理「トリッパ」の作り方です。
ハチノスとは?
「ハチノス」とは、4つある牛の胃のうち第2胃のことです。文字通り蜂の巣のような見た目をしており、ホルモン特有のにおいがあります。
一方「トリッパ(trippa)」もやはりイタリア語で「牛の第2胃」をさしますが、牛の胃を使った料理を指す場合もあります。
ちなみにトリッパは、イタリアをはじめヨーロッパでは大変人気のある大衆的な料理(食材)で、トマトソースで柔らかく煮込むのが定番の食べ方です。
ハチノスには独特の臭みがあるので、何度か茹でこぼして臭みを取る下処理が必要です。とはいえ、この臭みはトリッパらしい香りを生む要素でもあるので、完全に臭みを抜ききってしまうと面白みがありません。
においをどの程度残すかは好みによるので、お好みで調整してくださいね。
ハチノスの下処理方法
ハチノスは胃袋なので袋状になっています。そのままだと洗いにくいので、半分にカットするのがおすすめです。
ちなみに写真のトリッパは、業者さんによりあらかじめ下処理がされている状態のものです。ハチノスは本来もっと黒っぽく、黒っぽければ黒っぽいほど、においもきつくなります。
写真のハチノスはほどよく香りが残っている、まさに理想的な状態です。
ハチノスは表面がヒダ状になっているため、ヒダの中にある汚れやにおいを取り除くために、たっぷりの熱湯で茹でてからハブラシやタワシなどを使って、ヒダ一つひとつの中をていねいに掃除する作業を繰り返します。
かなり根気のいる作業なので、ハチノスを購入する際は既に下処理が施されているものを選ぶのがおすすめです。
それではさっそくトリッパを料理していきましょう。
材料
今回使用した材料は、次の通りです。
トリッパはパンととてもよく合うので、上記材料と別にバゲットも用意するといいですよ。バゲットは、食べる前にオーブントースターで温めるといっそうおいしくいただけます。もちろんお好みで食パンなどを使ってもかまいません。
トリッパの作り方
ハチノスの下処理を終え、材料が揃ったら、いよいよトリッパを調理していきますよ。とはいっても、実は作るのがとても簡単な料理なので、料理初心者の方にもおすすめ。ぜひチャレンジしてみてください。
①野菜をカットする
まず、にんにくの皮と根の固い部分を取り除き、包丁の背やお皿などで押しつぶします。小指の爪ほどの大きさになるよう、ちぎったり包丁でカットしたりしてください。
マッシュルームは薄切りにし、それ以外の野菜(玉ねぎ、にんじん、セロリ)は粗みじん切りに。セロリは茎の部分だけ粗みじん切りにすればOK。葉は後で使うのでとっておきましょう。
②ハチノスをカットする
ハチノスも一口サイズにカットしておきましょう。
なお、ハチノスは煮込んでいくうちに縮むので、気持ち少しだけ大きめにカットしておくのがおすすめです。
③野菜を炒める
鍋にオリーブオイルをひいたらにんにくを入れ、弱火でじっくりと香りを出します。にんにくの香りが出てきたら、他のカット野菜をすべて入れてください。
塩を加え、混ぜながら中火でまんべんなく炒めていきます。野菜の水分が出てくるまでじっくり炒めたら次の工程に進みましょう。
④ハチノスを炒める
ハチノスを加えて、引き続き炒めます。
最初はボリューミーだったハチノスも、火を入れることで縮んで落ち着いてきます。
⑤白ワインで煮込む
野菜がしんなりとし、ハチノスが落ち着いたら、白ワインと水(分量外)を加えて煮込みましょう。水はひたひたになる量を入れてください。
併せてローリエとセロリの葉も入れて、グツグツと1~2時間ほど煮込みます。
⑥トマトで煮込む
ローリエとセロリの葉を取り除き、トマトホール缶を手でにぎりつぶして加えてさらに煮込みます。途中で水気が足りなくなったら、300ml程度の水を加えて全体を混ぜ、引き続き煮込みます。ハチノスがお好みの柔らかさになったら、最後の仕上げとしてソースの量を調整しましょう。
ソースがさらさらしている場合は少し火を強くし、水分を蒸発させてソースのテクスチャを決めてください。逆にソースが固すぎる場合は、少量の水を加えて伸ばせばOKです。
最後にタイムと黒こしょうを加えたら完成です。
盛り付け時はパセリやレモンを添えると色合いが良くなりますよ。お好みでパルミジャーノ・レッジャーノなどのチーズをかけてもおいしいです。
ハチノス料理を楽しもう!
今回はイタリアの定番料理「トリッパ」の作り方をご紹介しました。
トリッパに使うハチノス(牛の胃)はヨーロッパの定番料理のほか、実は醤油で甘辛く煮たり、茹でてから薄くスライスしてお刺身でいただいたりしてもおいしい万能な食材です。
ハチノスを上手に活用して、「千葉」のおいしさを存分に堪能しちゃいましょう!