お家で遊ぼう!
カルトナージュは、紙の箱に思い思いの美しい装飾を加えたものです。
本格的なカルトナージュは厚紙をカットしてベースの箱も自分で組み立てていきますが、初めてのチャレンジにはハードルが高いと感じられるかもしれません。
そこで、カルトナージュがどんなものか一度作ってみたいという人には、不要になった紙箱や牛乳パックなどを再利用する方法がおすすめ。カッターを安全に扱える年齢であれば、子どもも作成できますよ。
今回は牛乳パックをベースにした、ペンスタンドとフタ付き小物入れの作り方をご紹介します。
カルトナージュとは?その歴史や魅力
カルトナージュとは、18世紀頃から伝わるフランスの工芸です。
フランス語で厚紙(カルトン)細工という意味で、カルトナージュ誕生の経緯にはいくつかの説があります。有力な説の1つはムシュー・ルヴォルという人物が蚕のまゆや卵を入れるための箱として考えたというもの、もう1つはアジアから茶葉を船で運搬するために用いられていたというものです。
中身の品質を守るために紙という素材が適していたことや、美しい装飾が施されていたことが共通しています。
その後、カルトナージュはヨーロッパの貴婦人たちのあいだで流行。現代では手芸の1つとして日本にも浸透しています。
組み立てた箱に色柄のある紙や布を貼って見栄えよく仕上げるのがおおまかな作り方ですが、日本では布を貼るのが一般的。豊富なデザインから選べることや紙にはない質感が生まれることも魅力でしょう。
牛乳パックで手軽にカルトナージュ!準備物は?
家庭でごく身近にある箱といえば、飲んで空になった牛乳パック。今回はこれをカルトナージュのベースとして利用しましょう。
ほかに必要なものは以下です。
A:牛乳パック
B:コピー用紙
C:布(カットクロス・ハギレなど)
D:定規
E:ハケ、筆など
F:筆記具
G:カッター
H:ハサミ
I:木工ボンド
J:カッティングボード(あれば)
元々牛乳パックは側面の一カ所にのり付けがしてあります。作成時はのり付けしていない面が扱いやすいので、できれば2本分あるとよいですね。
布は箱の外側用と内側用に2種類を用意します。カラーや柄の組み合わせを考えながら、好みの布を選んでください。
ハケや筆はボンドを塗るのに使用します。また、コピー用紙は牛乳パックの印刷が布の表に透けて見えないようにするためのものです。
これだけあればペンスタンドもフタ付き小物入れも作れますが、小物入れをより可愛らしく仕上げるために以下を準備しました。
装飾はそれぞれ自由にアレンジできるので、このほかレースやビーズ、ボタンなどを使ってもよいですね。
カルトナージュ①:ペンスタンドの作り方
まずは各材料をカットしましょう。
牛乳パック
布(外側用)
布(内側用)
コピー用紙
今回は高さ8.5cmの仕上がりとしましたが、好みで変更することもできますよ。布は上下左右にのりしろがそれぞれ1cm分必要なので、貼り付ける牛乳パックより2cmほど大きいサイズと考えればOKです。
ベースの牛乳パックの側面に、コピー用紙をぐるりと貼り付けておきましょう。
紙や布の貼り付けには、木工ボンドを少し水で薄めたものを使用します。作業中はテーブルが汚れないように不要な紙を敷いておくとよいですね。
更にそこへ外側・側面用の布を貼り付けていきます。角から1cmの位置に布端を合わせておき、あとは側面に沿わせてぐるりと一周。牛乳パックの上下にのりしろ分の1cmが出るようにしてくださいね。
最後は布端を1cm折っておき、折り目がちょうど角にくるように調整します(★)。
ベースのボンドが乾くあいだにほかのパーツを作りましょう。
側面用と底面用の牛乳パックにボンドを塗って、それぞれ布裏に貼っていきます。印刷のない側に布を貼るのがポイント。
布の上下左右にのりしろが出るように貼り、4つの角をすべて斜めに切り落とします。このときに、牛乳パックの角から1mmほど外側を切るようにしてください。
全部カットしたらこんな感じです。
次に、布ののりしろを牛乳パックの反対側に折って貼っていきます。角に隙間ができないように気を付けて。
内側・底面用は貼らずにそのままでかまいません。また、内側・側面用の2枚は短辺のみ貼ります。画像の赤線部分はのり付けしていない箇所です。
ベースの上下を処理します。
ベースの底面に出たのりしろは、角のところで2枚を合わせるようにして斜めにカット。
4つの角がカットできたら、のりしろにボンドを塗って底面に貼りましょう。
そこに、外側・底面用のパーツを貼ります。
今度はベースの上側です。4つの角にまっすぐ切り込みを入れて、のりしろにボンドを付け、内側に折り込むようにします。
あとは、内側用のパーツを順に貼り付けていくだけです。
先に、内側・底面用パーツを貼ります。のりしろは上に向いた状態です。
そして、内側・側面用パーツ(長辺ののりしろをまだ貼っていないもの)2枚を向かい合う位置に貼ります。
最後に、残りの内側・側面用パーツ2枚を貼って、完成。のりしろはすべて隠れ、キレイに仕上がります。
カルトナージュ②:フタ付き小物入れの作り方
フタがある分、パーツが増えます。各材料を以下のサイズでカットしましょう。仕上がりの高さは5.5cmです。
牛乳パック
布(外側用)
布(内側用)
コピー用紙
その他
ベースや各パーツの作り方はペンスタンドとほぼ同じです。
ただし、フタ取り付け用として、べース上部ののりしろを一辺だけ貼らずに残しておきます。
また、この下の内側側面パーツも貼らずに残しておいてくださいね。ほかの三面は貼っておきましょう。
フタは、布と牛乳パックのあいだにキルト綿を3枚重ねて挟み、のりしろを貼って作ります。リボンなどの装飾はここで先に取り付けておきます。
キルト綿の弾力がある分ズレやすいので、ボンドが乾くまでクリップなどを利用してください。
さて、フタの取り付けです。
ベース上部で残しておいたのりしろをフタの裏側に貼り付け、連結させます。フタの閉まる位置を確認しながら作業しましょう。
更に、フタ取り付け用の布を、下半分はベースに上半分はフタ裏に貼ります。
最後にフタ裏パーツと内側側面パーツを貼って完成です。
まとめ
布のデザインやカラーを生かせるカルトナージュは、牛乳パックの再利用とは思えない仕上がりになります。
基本的には紙と布をカットしてのり付けするという作業なので、大人だけでなく工作好きの子どもにもおすすめ。休日に親子そろって作るのもよいでしょう。
角の部分などは繊細な作業となるので集中力が必要ですが、ボンドが乾くあいだはリラックス。お茶など飲みながら楽しく取り組んでみてくださいね。