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これだけは押さえておきたい!
おせちの意味と正しい詰め方

3つのポイントで迷わず準備!新年にふさわしい手作りおせち

毎年、お正月におせちを用意する家庭は多いのではないでしょうか。

おせちは一年に一度、お正月にだけ食べられる特別な料理です。おせちを食べると「新年を迎えたんだなぁ」という実感がわいてきますよね。

でも、初めておせちを作る人には、おせちの定番料理や詰め方、盛りつけ方などいろいろとわからないことがあると思います。

本記事は、初めてのおせち作りで押さえておきたいポイントなどをご紹介します。

初めておせちを作る方は、ぜひ本記事を参考に華やかなおせちを作ってくださいね。

おせちの意味

おせちはもともと、お正月の三が日(1月1日から1月3日まで)の間に訪れる神様へのお供え。せわしなく動いて神様に失礼がないよう、三が日には台所を使わずに過ごすことが目的のひとつとされていました。

台所で火を使えませんから、あらかじめ保存性の高い料理を作って重箱に詰め、三が日はそれを食べて過ごす──というのがおせちのルーツです。つまりおせちは保存食だったのです。

近年は必ずしも保存性の高い料理ばかりが詰められるわけでなく、おせち料理も多様化してきました。保存性が高いものより、家族の好物や豪華な料理を詰めた方が喜ばれますよね。

とはいえ、歴史あるおせちにはそれなりの作法があります。

たとえば重箱のそれぞれの段に詰める料理がある程度決められていたり、詰め方にも作法があったり。

基本的におせちは縁起ものなので、無病息災や長寿を願ってエビを詰めたり、五穀豊穣や子孫繁栄を願って田作りや数の子などを詰めたりします。

こうしたげん担ぎの意味や作法を知っていれば、おせち作りがいっそう楽しくなりますよ。

それでは、おせち料理のそれぞれの意味や詰め方などを詳しく見ていきましょう。

おせちの正しい詰め方

おせち料理を作る上で押さえておきたいポイントは、以下の3つです。

  • どの段にどの料理を詰めるか決める
  • 定番料理を押さえる
  • 見た目を華やかに演出する

おせち料理は基本として「祝い肴(いわいざかな)、口取り(くちどり)、焼き物、酢の物、煮物」の5種類の料理で構成され、それぞれ詰める段数も決められています。

もちろん好みでアレンジしても構いませんが、伝統的な作法を取り入れれば、おせち作りの幅がいっそう広がりますよ。

上記3つのポイントについて詳しく解説します。

飾り葉でおせちを彩ろう

おせちは新年とともに食べる縁起のいい料理ですから、見た目も華やかに演出したいですよね。

使用する食材の種類や彩りを工夫するのもいいですが、飾り葉を使用するといっそう華やかになります。

飾り葉にはナンテンの葉や松葉、ツツジの葉、もみじやいちょうの葉などがおすすめです。

また、お重に詰める各種料理は、色や香りが移らないよう中仕切りで仕切りますが、中仕切りに笹の葉を使うと風情が出ます。

笹の葉は、キッチンバサミなどを使ってお重のサイズに合うようカットして使います。

重箱の段数は三段と五段が多いようですが、正式な段数は四段です。

完全な数字といわれている「三」の上にもう一段重ねる──という意味で四段が正式な段数とされています。

ただし結婚式などで重箱料理を出す際は、四などの偶数は「割り切れる=別れやすい」ということで縁起が悪い数字とされていますので、三段か五段を採用するのが一般的です。

それでは次項からは五段の重箱を例として、各段に詰める料理をご紹介します。

一の重

重箱のフタを開けて最初に目に入る一段目には、「祝い肴・口取り」を詰めます。

祝い肴は、祝いの席のお酒に合う料理。つまりおつまみのことです。

口取りも祝い肴と同じ意味で、コース料理でいうところのオードブル(前菜)と理解しておいてかまいません。

千葉県を含む関東では、黒豆、田作り、数の子が「祝い肴三種」または「三つ肴」「三種肴」と呼ばれ、お重一段目に詰められます。

昆布巻きや伊達巻き、かまぼこ、煮鮑(にあわび)なども一段目に詰める代表的な祝い肴です。

二の重

二の重には「焼き物」を詰めます。

鯛やブリの塩焼きや西京焼き、エビの炭火焼き、最近ではローストビーフや鴨ロース、一口ステーキなどを入れるおせちもあります。

コース料理でいうところのメインディッシュを詰める段です。

三の重

三段目には「酢の物」を詰めます。

紅白なますや菊花かぶ、小肌粟漬や酢蓮根などが代表的です。千葉ならではのからなますやたたきなます(酢なめろう)を入れるのもいいですね。

与(四)の重

四段目には煮物を入れます。

数字の四は縁起が悪いとされているので、表記の際は「四の重」でなく「与の重」と書きましょう。

クワイや里芋の煮物、また穴がたくさん開いている蓮根は「将来への見通しが良い」ということで、好んでおせち料理に使われます。

五の重

五の重は「控えの重」といい、何も詰めず空の状態にしておきます。将来の繁栄や発展を願う意味が込められています。

また、五段ではなく三段の重箱を使用する際は、以下のように詰めるのが一般的です。

  • 一段目…祝い肴・口取り
  • 二段目…焼き物と酢の物
  • 三段目…煮物

華やかなおせちでお正月を楽しく過ごそう!

一年に一度だけのせっかくのおせちですから、少し奮発して豪華に演出したいですよね。

砂糖や酢をふんだんに使って保存性に配慮するばかりでなく、煮鮑にいくらやキャビアを添えたり、牛ヒレステーキと一緒にフォアグラを焼いたりと、新年のお祝いにふさわしい料理でみんなでワイワイ楽しくお正月を過ごしてみてはいかがでしょうか。

伝統的な作法を踏まえながら、お好みのアレンジで我が家ならではのおせちをお楽しみください。

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