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特別な日のごちそうに!
おうちで伊勢海老をおいしく食べる方法

お祝いにピッタリの伊勢海老!ハサミ一本で豪華な食卓に

皆さん、伊勢海老はお好きですか?

ハレの席のおめでたい高級料理というイメージがある伊勢海老ですが、実は市場などではキロあたり5,000円~8,000円と、意外と手頃な価格で取引されています。

料亭などで出される立派な伊勢海老で400gくらいでしょうか。ご家庭で楽しむ分には200g~300gのもので十分でしょう。とするとお値段として大体1尾あたり1,000円~2,400円程度。

しかも千葉県は伊勢海老のメッカで、令和2年の千葉県における伊勢海老の漁獲量は188tで全国第2位。実は千葉県は家庭で伊勢海老を楽しみやすい環境なのです。

というわけで、今回はご家庭で伊勢海老を楽しむために、伊勢海老のさばき方をご紹介します。

伊勢海老を楽しめる時期

千葉県では千葉県漁業調整規則により、毎年6/1~7/31の間は伊勢海老の禁漁期間に定められているため、この期間は伊勢海老が市場に流通しません。そのため、8/1に解禁になってから冬いっぱいが伊勢海老の旬です。

一般的なスーパーで伊勢海老を見かけることはあまりありませんが、市場などでは取り扱っているところも多いので、ご家庭で伊勢海老を食べたい方はぜひとも市場へ足を運んでみてください。

また、ご近所の魚屋さんなどに伊勢海老が欲しい旨を伝えると、仕入れてくれる場合があります。

伊勢海老を持ち運ぶ際は、写真のようにおがくずに入れるのが理想的です。というのも、伊勢海老はエラが乾くと死んでしまうため、おがくずで保湿してエラが乾かないようにしてあげるのです。

おがくずに入れておけば数日から一週間程度は生きたまま保管できますが、エビは弱りやすく足も早いので、できるだけ早く使うようにしましょう。

伊勢海老のさばき方

それではいよいよ伊勢海老をさばいていきます!

使用するのはキッチンバサミ一本だけ。慣れたら包丁で行っても構いません。ハサミを使っても包丁を使っても手順に違いはありません。

ケガをしないよう軍手を着用して作業しましょう。

伊勢海老を洗う

まずは伊勢海老についている泥やおがくずなどの汚れを流水で洗い落とします。このとき、伊勢海老が暴れるとケガをする危険性や伊勢海老の身を傷めるおそれがあるので、ボウルに張った氷水にあらかじめ浸けておきましょう。

冷水に10分も浸けておくと伊勢海老は仮死状態となり、おとなしくなります。氷がない場合はおがくずとともにダンボール箱などに入れ、冷蔵庫で1時間ほど冷やしておいても構いません。伊勢海老を冷やすことが大切です。

伊勢海老を締める

伊勢海老を生きたままさばくのに抵抗がある人は、最初に伊勢海老の急所に包丁を入れて締めておきましょう。こうすると伊勢海老が暴れることもありません。

伊勢海老の急所は、腹に見える通称「ふんどし」と呼ばれる三角形の模様のてっぺん。写真で包丁の切っ先を当てている部分です。この部分に包丁を突き立てて刺し込みます。

この一突きで伊勢海老は絶命します。青っぽい液体と透明っぽいドロドロした液体が少し出てくるかもしれません。これは伊勢海老の血液です。流水で軽く洗い流してから作業を再開しましょう。

頭と胴体を分ける

伊勢海老の頭と胴体を切り離すために、接合部にハサミを入れます。というのも、伊勢海老の頭と胴体は薄い膜に覆われてつながっているからです。この膜をハサミで切ってから頭と胴体を切り離します。

まずは腹側の膜を切り──

それから背側の膜を切ります。

写真では見えにくいですが、目視で膜が見えるので難しいことはありません。

腹側と背側の膜を切ったら頭から胴体を引き抜きます。

胴体を引き抜く

頭を胴体から引き抜く際は、頭をしっかりと持ち、もう片方の手で胴体をねじりながら引き抜きます。

頭を固定して胴体をねじると、ブチッという感触があるはず。これで頭と胴体をつないでいる腱が断たれるので、あとは身が崩れないようゆっくり引き抜くだけです。

殻をむく

頭と胴体が離れましたが、伊勢海老の胴体にはまだ殻がついています。殻をむくにはまず、腹側の殻をむきます。腹側の殻のふちにそってハサミを入れていくだけなので簡単です。

腹の両側のふちに切れ目を入れたら──

つけ根の部分にもハサミを軽く入れます。つけ根部分は身と皮がつながっているので、ここに軽くハサミを入れておくことで殻がむきやすくなります。

あとは殻をペリペリとむき、最後につながっている部分をハサミで切り離すだけです。これで腹側の殻むきは完了です。

身をすくい取る

腹側の殻がむけたら、次は背側の殻から身をすくい取ります。背側の殻のカーブに沿ってスプーンでていねいにすくい取りましょう。手で行っても構いません。

背わたを取り除く

殻の尻尾の先端は背わたとつながっており、身を引き抜くと自然と身から背わたが抜けます。もし身に背わたが残ってしまったら、骨抜きなどで引き抜けば問題ありません。

薄皮をむく

伊勢海老の身についている赤い薄皮は色鮮やかで美しいですが、歯に障る場合があるので取り除いておきましょう。写真のように骨抜きを用いて取り除くと簡単です。

氷水にさらす

最後に伊勢海老の身を20秒ほど氷水にさらしましょう。

伊勢海老の身は案外えぐみが強いので、氷水にさらしてアクを取ります。あとは水気をよく拭き取り、お好みのサイズにカットすれば伊勢海老の刺身の完成です。

頭の割り方

伊勢海老の頭はぜひとも味噌汁や鍋などで楽しみたいものです。出汁がよく出るように頭を二つに割って使いましょう。

伊勢海老を仰向けにし、まずは写真のように下半分に包丁を入れます。

次に伊勢海老を180°回転させ、もう半分を包丁で割ります。頭の部分はやや硬いのでご注意ください。

最後に伊勢海老をひっくり返し、背側から包丁を入れたら簡単に二つに割れます。

伊勢海老の味噌汁の作り方

伊勢海老の味噌汁を作る際は大きめの鍋に水を入れ、二つに割った伊勢海老の頭を入れたらていねいにアクを取りながら煮込みましょう。沸騰させ続けると伊勢海老の香りが飛んでしまうので、沸騰したら弱火に落としてください。

伊勢海老の出汁が十分に出たところで味噌を溶いて完成です。

おうちで伊勢海老を楽しもう!

伊勢海老は意外と簡単にさばけますし、おいしく食べるのに特別な技術もいりません。市場で購入すればお値段もそんなに張らないので、意外とご家庭でも楽しみやすい食材です。

お祝い事など家族の特別な日には、伊勢海老で食卓を豪勢に飾ってみませんか?

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