千葉グルメを味わう

いくら丼をおうちで食べたい!
本格いくら醤油漬けの作り方

生筋子の処理が自分でできれば、思う存分いくらが食べられる!

海の赤いダイヤモンドと呼ばれる「いくら」は、言わずと知れた北海道の名物です。

一昔前は、新鮮でおいしいいくらを食べようと思ったら北海道に行くか取り寄せるかしかありませんでしたが、最近では全国的にいくらの需要が高まったのか、千葉県内のスーパーでもいくらの原料である生筋子(なますじこ)を見かける機会が増えました。

でも、いざ生筋子を目の当たりにしても「どう処理すればいくらにできるのか、わからない……」という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、おうちでできる「おいしいいくら醤油漬けの作り方」をご紹介します!

本記事さえ読めば、自宅でおいしいいくらを楽しめますよ。もしスーパーや魚屋で生筋子を見かけたら、ぜひ挑戦してみてください!

そもそもいくらってどう調理するの?

いくらの醤油漬けは、鮭の卵がつながったままの生筋子をほぐして掃除し、醤油だれに漬けて作ります。醤油だれの味が卵の中に染み込み、いくらの脂分と合わさってあのおいしい味が完成するのです。

味の決め手となるポイントは以下の2点です。

  1. いくらの血や汚れなどをしっかり掃除できているか
  2. たれをおいしく調味できているかどうか

それぞれ詳しく解説していきます。

いくらの調理に必要な道具


生筋子には、卵をつなぐ筋と、全体を覆う薄い膜があります。これらをきれいに取り除いて掃除するには、専用の道具を使うのが一番。生筋子をほぐすには、写真のような道具を使います。ここに生筋子を優しくこすりつけながら、卵を一粒一粒ほぐしていくわけです。

このように、ボウルなどの上に生筋子ほぐし器をセットして使います。

お気づきの方もいると思いますが、この道具、七輪などに使う焼き網と形状がとてもよく似ていますよね……?

実は焼き網で代用することもできるので、生筋子ほぐし器がなければ焼き網を使ってもOK!焼き網は100円ショップなどで簡単に手に入るので便利ですね。

道具がそろったらいくらの調理を始めましょう!

いくら醤油漬けの作り方

いくらを調理するのに使う材料は以下の通りです。

  • いくら…お好みの量(今回は3腹)
  • 乾燥昆布…10cm四方を4~5枚
  • 水…800ml
  • 酒…100ml
  • 醤油…200ml
  • 砂糖…小さじ1
  • 塩…1つまみ

生筋子の皮をむく

生筋子を覆っている皮を開きます。この段階で皮を取り除く必要はありません。皮が開いている部分から全体の表と裏をひっくり返して開くイメージです。卵はつぶれやすいので、ていねいに作業してくださいね。

生筋子をほぐす

生筋子を開いたら、網目に優しく当てながらころころ転がします。すると卵がポロポロと外れていきます。すべての卵が外れるまで地道に続けてください。一つの生筋子を処理するのに2~3分程度。慣れないうちはもう少しかかるかもしれません。

すべての卵がほぐれると、最後はこのように筋と皮だけが残ります。この部分は使わないので捨ててしまって構いません。

いくらを洗う

すべての卵をほぐしたら、40℃程度のぬるま湯の中で掃除をします。

ボウルの中にはつぶれた卵の皮や残った筋のかけら、血など、汚れがたくさんあります。こうした汚れは、ぬるま湯にあてることで白く変色し選別しやすくなります。細かい汚れがたくさんありますが、できるだけすべての汚れを取り除けるよう、何度も湯を入れ替えながらていねいに掃除してください。

この工程にどれだけの手間と時間をかけるかで、仕上がりに大きな差が生まれます。

水気を切る

掃除が終わったら、ざるにあげて水気を切りましょう。水気を切っている間に調味液を作っておきます。

調味液を作る

鍋に乾燥昆布と水を入れ、そのまま30分ほど置いておきます。できれば一晩置くと理想的です。こうすることで昆布の上品な出汁が取れます。

昆布出汁が取れたら、煮切ってアルコールを飛ばした酒と醤油、砂糖、塩を加えてひと煮立ちさせます。はじめは昆布を入れたまま。鍋のふちに泡が浮くくらい温まってきたら昆布を取り出してください。

沸騰したらすぐに火を止めて冷ましましょう。すぐに冷ましたい場合は何個かの氷を入れても構いませんよ。

調味液といくらを合わせる

保存容器などに水気を切ったいくらを移し、冷ました調味液をひたひたになるまで注ぎます。このまま一晩置いたらいくらの醤油漬けの完成です。

味が薄い場合は、醤油を少しずつ加えながら調整してください。

一晩漬けておく際も昆布を一片入れておくといいですよ。

いくらを扱ううえでの注意点~寄生虫アニキサス~

生の新鮮な筋子には、アニサキスがいる場合があります。アニサキスはサバやブリ、さんまなど多くの魚介に潜む寄生虫です。人間が食べるとアニサキス症を発症し、激しい腹痛や嘔吐などの症状が表れる場合があります。

アニサキス症を防ぐには、加熱と冷凍、物理的な除去が効果的です。

いくらは加熱するとたんぱく質が変質しておいしく食べられなくなるので、アニサキスを目で確認しながら物理的に選別除去するか、完成したいくらを保存容器などにつめて冷凍するのが効果的です。

家庭用冷蔵庫の場合、2日間の冷凍でアニサキスが死滅するといわれていますが、念のため3日~1週間ほど冷凍すると安心です。

食べたいときには、冷蔵庫やチルド室などで時間をかけてゆっくりと解凍しましょう。解凍する前にアルコールを飛ばした酒を凍ったいくらの上に少しかけておくと、いくらが潰れずおいしい状態で解凍できますよ。

おうちで食べる贅沢いくら丼!

自家製のいくらの醤油漬けを作ったら、お値段を気にすることもなく思う存分にいくら丼を堪能できます。ほかほかのご飯の上に昆布のうま味をしっかりと吸い取ったいくらをたっぷり……。夢のような時間を過ごせること間違いありません。

生筋子の処理方法やいくらの醤油漬けの作り方さえ知っていれば、千葉に住みながら北海道のグルメ旅行を体験した気分に!スーパーなどで生筋子を見かけたら、ぜひともおいしいいくらの醤油漬け作りにチャレンジしてみてください!

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