千葉グルメを味わう

肝までおいしい自家製珍味!
スルメイカの丸干しの作り方

自宅で作ればおいしさも格別!凝縮したイカのうま味を堪能

肝ごと丸干ししたスルメイカをストーブで炙り、七味唐辛子を混ぜたマヨネーズにつけて食べる……。

お酒を飲む人にはたまりませんよね。

スルメイカは大人だけでなく子どもにも人気がある珍味です。もしそんなおいしい珍味を自宅で作れたら……。

というわけで、今回ご紹介するのは肝入りスルメイカの丸干しの作り方です!

スルメイカといえば北海道というイメージがありますが、実は銚子や勝浦、南房総や館山などではスルメイカが水揚げされているんですよ。県内の魚屋やスーパーなどで新鮮なスルメイカを見かけたら、本記事を参考にぜひ丸干しに挑戦してみてください。

スルメイカの丸干しに使う材料

スルメイカの丸干しに使うのは、新鮮なスルメイカと塩だけです。

塩はスルメイカの総重量の5~10%程度で調整してください。塩分が濃くなればなるほど保存性が高まりますが、塩辛さが強くなり食べにくくなります。逆に塩が薄いと食べやすいですが、その分保存性が低くなります。お好みで調整してみてくださいね。

丸干しを作るには、スルメイカの食べられない部分を取り除いてから塩漬けにし、その後はイカが乾燥するまで干し続けます。干し網などがあるとイカを干すのに便利です。

スルメイカの丸干しの作り方

それでは丸干しを作っていきましょう!まずはスルメイカの食べられない部分を取り除くために手で処理していきますよ。

①スミ袋を取り除く

スルメイカの後頭部から胴体をめくりあげると、イカスミが入った黒い袋が見えるはずです。まずはこのスミ袋を取り除きます。

袋を破ってしまうとイカスミが出てきて、イカの体やまな板が黒く汚れてしまいます。イカスミの着色力は強力なので、汚れてしまうとなかなか落ちません。袋を破かないよう慎重に作業しましょう。

スミ袋は大体4~5cmの大きさです。イカの胴体の奥に指を入れてスミ袋の先端を引っ張ると、写真のように袋を破らずに取り出すことができます。

あとは袋を破らないよう根本部分をちぎって取り除くだけです。

②内臓を取り除く

今度はイカスミよりもさらに奥まで指を入れ、内臓の先端に指を引っかけます。スミ袋を取り出したときと同じ要領で内臓を引っ張り出しましょう。

写真のように内臓を引っ張り出したら、肝以外の部分を取り外して除きます。

イカの肝の正体は肝臓で、「ゴロ」とも呼ばれています。スルメイカの肝はほかのイカよりも大きいのがだいごみです。

③骨を取り除く

スルメイカの内臓を取り除いたら、次は骨を取り除きます。

イカの骨は背筋部分に入っています。プラスチックのような質感ですが、正確に言うとこれはイカの骨ではなく軟甲と呼ばれる貝殻。

イカは軟体動物なので骨がありません。この骨のようなものは、イカの祖先である巻貝の名残だそうです。

④目を取り除く

目は水分が多く傷みやすい部位なので取り除いておく必要があります。

イカの目の玉をつぶすと、水がピュッと飛び出してあたりを汚してしまうかもしれません。目を破かないよう、根本からつまみ取りましょう。慣れてくるとつぶさずに取り除けるようになるはずです。

目を二つとも取り除いたら次はくちばしを取り除きます。

⑤くちばしを取り除く

スルメイカのくちばしは足の間にあります。普段は外側からくちばしは見えませんが、手で口をひっくり返すようにすると、中からくちばしが出てきます。このくちばしは硬くて食べられないので取り除いておきましょう。

指でつまんで引っ張ると簡単に取り除けます。

⑥イカの足を洗う

最後にスルメイカの足を洗ったら下処理は完了です。

スルメイカの足には無数の吸盤があります。そして吸盤には、小さな円形状のプラスチック状の物体がはまっています。このプラスチック状の物体は食べるときに口に障るので、できるだけ取り除いておきましょう。

流水にあてながら手でイカの足をしごくと、次々に取り除くことができます。硬く絞った布巾などでイカの足をつかんでしごいても効果的です。

すべての異物を取り除いたらスルメイカの全体をざっと洗い、水気をしっかり拭き取りましょう。

⑦肝に塩を振る

すべての下処理を終えたら、次は塩に漬けていきます。まずはスルメイカの総重量を量り、その5~10%の塩を用意します。今回は8%の塩を用意しました。

準備ができたらスルメイカの肝を引っ張り出し、計量した塩から2つまみずつの塩をつかみとって肝に振りかけます。

塩を振りかけたら肝を胴体の中に戻しておきます。

⑧全体を塩漬けにする

次に、スルメイカ全体に塩を振りかけます。

スルメイカに塩を振ると、塩の浸透圧でイカの水分が出てきます。出てきた水分は臭みや腐敗の原因となるので、できるだけイカに触れさせないようにしたいところ。網を敷いたバットなどを使うと便利ですよ。

このまま15分ほど置いたら流水で塩を洗い流し、キッチンペーパーなどでしっかりと水気を拭き取りましょう。

⑨イカを干す

スルメイカの水気を拭き取ったら、干し網などを使ってイカを干しましょう。干す際は直射日光を避け、風通しの良い日陰を選んでください。直射日光にあてるとイカの温度が上がり、腐敗してしまいます。

たまに表裏をひっくり返し、まんべんなく乾燥させます。天候に恵まれれば、3~5日程度で丸干しの完成です。今回は天候にあまり恵まれなかったため一週間かかりましたが、無事に丸干しが完成しました。

夜間は夜露や突然の雨などで濡れるのを防ぐため、屋内に取り込んでおくのがおすすめです。

⑩完成

全体が乾いたらスルメイカの丸干しの完成です。

このまま食べるには硬いので、食べる際はストーブの上で炙ったり、フライパンで軽く温めたりしてください。柔らかくなって食べやすくなります。

温めたイカは冷めるとまた硬くなるので、温かいうちに食べるのがおすすめです。包丁やキッチンバサミなどで食べやすい大きさにカットしてくださいね。お好みで七味マヨネーズをつけるとおいしいですよ。

ちなみにスルメイカを干すと、写真のように白い粉のようなものが出てくることがあります。一見すると白カビのようでギョッとするかもしれませんがご安心ください。

これはアスパラギン酸やグルタミン酸、ヒスチジンやタウリン、ベタインといったスルメイカの成分の混合物が乾燥したもので、言うなればスルメイカのうま味成分です。おいしい部分なので拭き取ったりせずそのまま食べましょう。

地元のスルメイカでおいしい丸干しを楽しもう!

千葉にはおいしいものがたくさんあります。スルメイカもその一つです。

時間と手間をかけて自分で作った干物は格別。ぜひ新鮮でおいしいスルメイカを肝ごと使って、至高の丸干しを堪能してください。

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