お家で遊ぼう!
お守り袋はお寺や神社でも手に入りますが、手作りすれば応援の気持ちや願いもよりいっそう強く込められます。
子どもの受験や部活の大会、ピアノなどの発表会など、どんなに応援したくても、すぐそばで寄り添うことが難しいシーンもあるものです。そんなときも容易にポケットやカバンの中などにしのばせることができ、そっと心の支えになってくれるのが小さなお守り袋です。
がんばる子どもや家族のために、手作りのお守り袋を用意してあげませんか?今回は、お守り袋の作り方を2種類ご紹介します。
フェルトで簡単に作れるお守り袋
1つめにご紹介するのは、フェルト生地を使って簡単にできる、ちょっとカジュアルなお守り袋の作り方です。お守り袋自体が小さなものなので縫い目を細かくする必要はありますが、作業自体はそれほど難しくはありません。子どもが友だちや仲間、きょうだいのために作ってあげるのにもおすすめです。
お守り袋の作成に必要な材料と道具
A:フェルト 本体用:4cm×10cm 内側用:2.5cm×7cm 飾り用:3cm×3cm
B:刺しゅう糸
C:鈴
D:リボン(紐・毛糸でも可):20cm程度
E:ハサミ
F:チャコペンシル
G:刺しゅう針
H:仮止めクリップ
I:目打ち
J:ボンド
K:セロテープ
L:定規
フェルトは切った布端がほつれてこないので、縫い代が不要です。できあがりを少しふっくらさせるために、本体用のほか、内側用のフェルトも用意します。
本体や飾りの雰囲気に合っていれば、リボン以外に紐や毛糸などを利用してもいいですね。リボンや紐を穴に通す際には、先端にセロテープなどを巻き付けておき、あとで外します。
お守り袋の作り方
それでは、フェルトのお守り袋の作り方を見ていきましょう。
①フェルト生地をカットする
本体用のフェルト生地は縦半分に折り、合わせた角をそれぞれ斜めに切り落とします。内側用のフェルトも縦半分に折っておきましょう。
飾り用のフェルトは好みの形に下書きしたうえで、カットします。今回は桜の形にしてみました。
②飾り用のフェルトを本体用に縫い付ける
桜の形に切ったフェルトを本体にのせて位置を決めたら、折りたたんでいた本体を一旦開いて、取り付けていきます。刺しゅう糸でおしべに見えるように縫いました。花びらの先端も縫いとめています。
③本体を縫い合わせる
本体のあいだに内側用のフェルトを挟んで再び折りたたみ、左右の端をそれぞれブランケットステッチで縫っていきます。ブランケットステッチは、針を手前から向こうに真っ直ぐ刺したら、糸を針の向こう側に回しておきます。
直角の線がきれいに並ぶよう、等間隔に針を刺していくのがポイントです。
④リボン用の穴を開ける
フェルトの上端から8mmほど下に、リボン用の穴を開けましょう。目打ちを使い、少しずつ穴の大きさを広げていきます。お守り袋の中に、願っていることや応援の言葉を書いた紙を入れるのなら、ここで!
⑤リボンと鈴を通す
リボンにまず鈴を通しておき、両端を本体の表から裏へと通します。両端を表側の輪にくぐらせたあと、ちょうどよい長さで結んで、完成です。カットしたリボンの端に、ボンドを塗っておきましょう。
写真の左側は、カットクロスの裏に接着芯を貼り、柄の犬に合わせて丸く切ったものを縫い付けています。
本格的な二重叶結びの紐付きお守り袋
次にご紹介するのは、お寺や神社のお守りでもよく見かける、二重叶結びの紐が付いたお守り袋の作り方です。この飾り結びの紐が付いているだけで、いかにもお守り袋といった本格的な装いになりますね。
お守り袋の作成に必要な材料と道具
A:布地 表用:6.5cm×19cm 裏用:6.5cm×19cm
B:接着芯:6.5cm×19cm
C:厚紙:4cm×6.5cm
D:江戸打ち紐:70cm程度
E:ハサミ
F:仮止めクリップ
G:セロテープ
H:ボンド
I:定規
表用と裏用の布地、接着芯はすべて同じサイズで、四辺それぞれ5mm分の縫い代を含んでいます。好みで多少サイズを変更しても問題ありません。
接着芯や厚紙はお守り袋をしっかり仕上げるために必要です。こちらのお守り袋は基本的にミシンで縫っていきますが、返し口をとじるために縫い針と糸も使用します。
願いを叶える!?二重叶結び
二重叶結びは、単に見た目に美しいというだけではありません。結び目を見ると表側は漢字の「口」、裏側は漢字の「十」の形になっています。両方を横に並べると「叶」という字になり、願いを叶えるという意味からお守り袋などによく使われているそうですよ。
本格的なお守り袋を作るために、まず江戸打ち紐を二重叶結びにすることから始めましょう。結び方をご説明します。
①紐を半分に折り、作業しやすいように折った部分を別の紐とクリップを使って厚紙に固定します。
②2本の紐が並ぶように輪を作ります。
③輪の下側を持ち上げて、ひっくり返します(マチ針は撮影のため用いたもので、作業中は不要です)。
④2本の紐を裏側に折り返し、右の輪の中にくぐらせます。
⑤今度は表側から左上へと折り返しましょう。
⑥左にも輪を作り、矢印の部分にくぐらせます。
⑦2本の紐を最初にできた一重の輪に通し、下に折り返します。
⑧全体を裏返します。
⑨横に渡っている2本の紐にくぐらせて、十字になるようにします。
全体の紐のゆるみや形を整えて完成です。
お守り袋の作り方
二重叶結びの紐が準備できたら、いよいよ本体のお守り袋を作成していきましょう。
①布を準備する
表用・裏用、接着芯をカットし、接着芯を表用の布の裏側にアイロンで貼り付けます。
②本体を袋の形に縫う
表用の布と裏用の布を中表にして揃え、短辺の2カ所(緑の線)を縫い合わせます。
次に、2カ所の縫い目がちょうど揃うように布をずらし、長辺の片側を縫います。
もう片側は、表用の布から縫い始め、裏用の布を2cmほど縫ったところで返し縫いをしておきましょう。
短辺の縫い目部分で半分に折りたたみ、両端の下2cmほどを縫い合わせます。
③本体を表に返す
裏用の布は一部が開いているので、そこから布をひっくり返していきます。
ひっくり返したら、返し口をとじておきます。裏の布が外側になっている状態なので、もう一度袋口からひっくり返して表の布を外側にしましょう。
底の部分の角は、針先などを使ってきれいに布を引き出しておきます。
④本体の形を整える
袋口の部分が台形になるよう、両端を内側に折り込みます。左右対称になるよう、あらかじめサイズを決めておくといいですね。形が決まったら、アイロンを押し当てておきましょう。
⑤穴を開けて紐を通す
フェルトタイプと同じ要領で目打ちを使って穴を2つ開けます。位置の目安は袋口から1cm下、穴同士は8mmほどの間隔です。
中に厚紙を差し込みます。願いや応援の言葉を記した紙も添えたい場合はここで入れましょう。
二重叶結びの紐の両端をそれぞれ穴に通し、裏側で結びます。好みの長さで2本をまとめて結び、完成です。紐端のほつれが気になる場合はボンドを塗っておきましょう。
まとめ
お守り袋の作り方を2種類ご紹介しました。難易度は異なりますが、どちらの作り方でも必要な材料はわずかです。
フェルトのお守り袋なら、裁縫を習い始めた子どもや忙しくて時間のない方も無理なく作れますよ。部活の内容にちなんだモチーフにしたり、イニシャルを入れたりしても素敵です。
本格的なお守り袋を作ってみたい場合は、ぜひ二重叶結びにチャレンジしてみてください。お守り袋を渡した相手が存分に力を発揮できるよう、祈っています!