千葉グルメを味わう
千葉に住んでいると、三方を海に囲まれた千葉県がいかに海の幸に恵まれた土地か、なかなか実感しにくいものです。たまに旅行などでほかの地域に出かけ、鮮魚店やスーパーなどを覗いてみると、千葉の魚介の豊富さにあらためて感謝したくなりますよね。
今回は、千葉県の近海で獲れる魚介の種類とその栄養価をご紹介します。
千葉で漁業がさかんな理由
千葉県ではさまざまな魚介が水揚げされています。千葉の沖合には寒流の親潮と暖流の黒潮が交わっており、この独特な環境により暖流、寒流それぞれの魚介が獲れるのです。
たくさんの魚介の栄養源となるプランクトンは、寒流の親潮が豊富です。一方、暖流の黒潮は回遊魚の通り道となります。千葉の立地はちょうど、暖流と寒流のいいとこ取りをした形なので、豊富な魚介に恵まれているのです。
こうした背景があり、千葉では古くから漁業と水産加工が多様な形で発展してきました。水揚げされる魚介類は多種多様で、2018年の千葉県の漁業・養殖生産量は全国第8位の14万トンに及びます。
特に銚子漁港の水揚量は全国第1位の25万2千トンにものぼり、全国有数の漁獲量を誇ります。
千葉で獲れる主な魚介
千葉県で獲れる主な魚介とその栄養価をご紹介します。
魚類
各種魚類の水揚量は、気候条件などにより毎年変化します。とはいえ、千葉を代表する魚としてアジやイワシをイメージする方は多いのではないでしょうか。実際これらの魚は年間を通して流通しており、スーパーなどでも購入しやすい大衆魚の代表格です。
「千葉でたくさん獲れる魚」というと、アジを思い浮かべる人は多いでしょう。鮮魚店やスーパーなどでよく見かける親しみのあるマアジの水揚量は4,201t(2020年)で全国第3位。
アジと並び、イワシも千葉県民にとってなじみのある魚ですよね。2020年の水揚量は、マイワシが37,348t、カタクチイワシが9,966tと、いずれも全国第6位です。
2020年のサバ類の水揚量は19,423tで、こちらはサンマと並び全国第7位。
アジ、イワシ、サバ、サンマなどのいわゆる青魚は栄養が満点。血液サラサラ効果や生活習慣病予防など、さまざまな健康効果に期待されているDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれています。また、ビタミンB群のほか、カルシウムやマグネシウム、リンなど丈夫な体作りに必要なミネラルも豊富です。
子どもの成長を促す栄養がたっぷり含まれているだけでなく、生活習慣病や骨粗しょう症の予防に役立つなど、老若男女に必要な栄養素が豊富なのが特徴です。
千葉県ではこのほか水揚量が全国1位(2020年)のコノシロやタチウオといった青魚がたくさん獲れます。上手に食卓へと取り入れて、健康的な食事を心がけたいですね。
2020年の水揚量が1,294tで全国第1位に輝いたキンメダイも、千葉県の名産の一つです。キンメダイもDHA・EPAやタンパク質が豊富で、味がよく消化にもいいため、胃腸に優しく食べやすい魚です。一般的には高級魚として知られていますが、キンメダイがたくさん獲れる千葉では比較的安価で購入しやすいのが魅力ですね。
ただし、キンメダイには微量の水銀が含まれている可能性があるため、厚生労働省により「妊婦が摂取量を注意すべき魚介類」の一つに指定されています。妊娠している方は1週間あたり80g程度までの量を目安にするようにとのことです。
白身魚のスズキ類も1,406tと、2020年の水揚量が全国第1位です。千葉ではこのほか鯛やイサキといった白身魚も豊富に獲れます。
キンメダイを含む白身魚は脂肪が少なく高タンパク質なのが特徴で、火を通してもパサつきにくくふっくら焼き上がります。お刺身にしてもクセがなく食べやすいので、お子さんのお魚嫌いを克服するのに活用しやすい傾向があります。
ちなみに北海道が主な産地である鮭も、身が赤いですが実は白身魚なんですよ。
貝類
シーズンには家族で潮干狩りを楽しむのが恒例という方も多いでしょう。千葉県の貝類の漁獲量は4,789tで全国第3位(2019年)で、特に近年目にする機会が多くなったホンビノス貝は、2017年から千葉のブランド水産物として認定され一大産業となっています。
2019年の全国シェアはアサリ類が65tで第7位、アワビ類は86tで第2位と、魚類だけでなく貝類も豊かなことがわかります。
貝類は動物性食品の中でもとりわけ高タンパク質かつ低脂肪で、ミネラルが豊富なのが特徴です。中でも千葉の名物であるアサリやハマグリには、免疫力を高める亜鉛が豊富。それだけでなく、貧血の改善や高血圧予防に期待でき、血糖値やコレステロールを下げるタウリンも多く含まれているため、心身の健康を保つためにぜひとも積極的に摂取したいところですね。
アサリに含まれるビタミンB12の量は貝類トップレベルで、悪性貧血や慢性的な疲労、神経痛などの改善に効果的といわれています。
その他の魚介
これまでにご紹介した魚介のほか、千葉ではまだまだ多種多様な海の幸が獲れますが、意外にもスルメイカやアナゴ、伊勢海老なども豊富です。
伊勢海老においては2020年の漁獲量が188tで全国第2位。高級なイメージがありますが、市場などでは手頃な価格で購入しやすいので、お祝いの席や特別な行事があるときにおすすめです。
伊勢海老の栄養では、若返りのビタミンと呼ばれるビタミンEが豊富に含まれています。イカもDHAとEPAが豊富で、アナゴは骨を作るためのカルシウムと皮膚や目、粘膜の健康維持に欠かせないビタミンAがたっぷり。
これら海の幸はいずれもミネラルが豊富、そして高タンパク質・低脂肪なので、体に優しい食卓にはぜひとも採用したいところです。美容やダイエットだけでなく子どもの発育や生活習慣病予防などにも効果的なので、ご家族の健康のためぜひとも積極的に取り入れましょう。
千葉の恵みで健康的な暮らしを実現しよう!
大衆魚から高級魚介まで、千葉がいかに海の幸に恵まれているか、おわかりいただけたと思います。
ヘルシーで栄養たっぷりの多種多様な魚介をお得に食べられるのは、海に囲まれた千葉県ならではの恩恵といえるでしょう。
魚のさばき方やお寿司の握り方、各種魚料理のコツなどを覚えれば、食卓がいっそう彩り豊かになりますよ。
当マガジンでは千葉の魚介を存分に堪能するための知恵とアイデアを広く発信しています。ぜひほかの記事も併せてご覧の上、思う存分に千葉の味覚をお楽しみください!