千葉グルメを味わう
食欲の秋の名物といえば、焼き芋をイメージする方も多いでしょう。
冬の訪れを少しずつ感じ始めるこの時期、スーパーなどの焼き芋コーナーで、焼き芋を焼くあのあま~い香りにうっとりしている方も多いのではないでしょうか。
こたつに入りながら食後に楽しむ焼き芋なんて最高ですよね。
昔は集めた落ち葉の中にさつまいもを入れ、落ち葉を焼却処分するついでに焼き芋を作っていたといいます。しかし、環境問題や火災などの危険から落ち葉を使った焚き火などを禁止する自治体もあり、近年では落ち葉を使った昔ながらの焼き芋スタイルはあまり見られなくなりました。
とはいえ実は、焼き芋はフライパンを使って自宅で簡単に作れるのをご存知ですか?
今回ご紹介するのは、フライパン一つで作る「簡単・本格おうち焼き芋」のレシピです。八百屋さんやスーパーなどでおいしそうなさつまいもを見かけたら、ぜひ本記事を参考におうちで焼き芋作りに挑戦してみてください。
焼き芋はまずさつまいも選びから
近年はさつまいもがどんどんおいしく改良され、昔に比べるとずいぶんと品種が増えました。千葉県では香取市と成田市、多古町がさつまいもの主な生産地で、品種にもよりますが10月から1月までに出荷されるさつまいもが特においしいとされています。
ところで千葉県は、さつまいもの生産量が全国屈指で、2020年には全国第3位という実はさつまいもの名産地です。全国のさつまいも総生産量687,600tに対し、千葉県のさつまいもの生産量は90,200t。実に全体の13.1%をも占めていることがわかります。
千葉県で生産されているさつまいもの主な品種としてはベニアズマ、大栄愛娘、さわらっこ、べにはるか、シルクスイートなどがあげられます。いずれも東日本を代表するポピュラーな品種です。
ベニアズマはホクホクとした食感が特徴で、JAかとり管内でもっとも多く作付けされている品種。天ぷらやお菓子作りにも向いている品種です。
大栄愛娘(たいえいまなむすめ)は安心と安全にこだわって栽培されている千葉のブランド芋。45日間以上も貯蔵することによる、しっとりとした口当たりと上品な甘みが特徴的な品種です。
さわらっこは収穫してから60日間も貯蔵され、甘みを存分に引き出されている品種です。個体差による当たり外れが少ないのも特徴。
べにはるかはしっとり、ねっとりとした濃厚な口当たりが特徴で、焼き芋にとても向いている品種です。
シルクスイートはシルクのように滑らかな舌触りが特徴で、スイーツのように上品な甘みがあります。
本記事を参考に、ぜひともご自分の好みに合ったさつまいもを選んでくださいね。それぞれの品種を食べ比べてみるのも楽しそうですね。
焼き芋の作り方
それではいよいよフライパンで焼き芋を作っていきましょう。作り方はとても簡単ですので、ぜひお時間のあるときにお試しください。
甘くておいしい焼き芋は、きっとお子さんも大喜びですよ。
①さつまいもを処理する
まずはさつまいもを水でよく洗い、土や泥などをきれいに洗い落とします。
さつまいもを洗ったら、写真のようにさつまいもの両端を切り落としましょう。こうすることでムラなく火が通りやすくなり、フライパンのスペースを有効に使うこともできます。
②塩水に浸ける
大きめのボウルや鍋に塩水を張り、さつまいもを一晩浸けておきましょう。塩分濃度は1~2%程度がおすすめです。こうすることでさつまいもの甘さが引き立ち、焼き芋がいっそうおいしく仕上がります。
③さつまいもを焼く
塩水から取り出したさつまいもを、そのままアルミホイルで包みます。水気を拭き取る必要はありません。
すべてのさつまいもをアルミホイルで包んだら、鉄製のフライパンに入れてフタをし、弱火で1時間ほど焼きます。途中、何度かさつまいもをひっくり返してください。
焼き芋に串がすんなり通ったら完成です。
なお、焼き芋は弱火にかけ、じっくり火を通せば通すほど甘みが増し、蜜が濃くなります。もししっとりねっとりした仕上がりがお好みでしたら、様子を見ながら焼き時間を20分ずつ延長してみてください。最大で2時間程度まで味の変化を楽しめます。
火力が強すぎると、焦げてしまったり、水分が抜けすぎて食味が落ちたりするおそれがあるので、火力は常に弱火。60℃程度の低温でじっくり焼くのが理想的です。たまにひっくり返して焦げを予防することも忘れないでくださいね。
焼き芋専用の鍋を使うと、より本格的な仕上がりになりますよ。
焼き芋を食べて秋を満喫しよう
おいしい食べ物が満載の食欲の秋は暴飲暴食に気をつけたいところですが、食物繊維が豊富な焼き芋なら罪悪感なく楽しめますよね。
品種にこだわって自分好みの焼き芋を探したり、バターや白炒りゴマを足してアレンジしたり、ご自分のスタイルで存分に秋の味覚をお楽しみください。