千葉グルメを味わう
秋が深まってくると、コロコロと可愛らしい栗がスーパーや八百屋に出回り始めます。栗を使った料理が恋しくなるこの季節、街角に漂う栗を炒るおいしい香りに食欲が刺激されますよね。
マロンケーキや栗ごはん、栗きんとんや渋皮煮……皆さんも秋を代表する栗料理がお好きなはず。
今回ご紹介するのは、そんな栗料理の中でも自宅で作るのが難しそうな「甘栗」の作り方です。
スーパーの店頭や観光地などで、甘栗のいい香りを漂わせている甘栗専用の製造機械を目にしたことがある方は多いでしょう。実はあの甘栗、おうちで簡単に作ることができるんです。
今回は、おうちでできるおいしい甘栗の作り方をご紹介します。
そもそも甘栗ってどうやって作るの?
本格的な甘栗は、熱した砂利と砂糖で栗を炒って作ります。街角で見かける甘栗専用の回転式の機械は、中に砂利と砂糖、栗が入っており、これらを熱しながら回転させて炒っているというわけです。
とはいえ、栗はそのまま加熱すると破裂するおそれがあり危険なので、事前に切り込みを入れるなどの下ごしらえが必要です。栗の皮をむく必要はないので、簡単に処理できるのがうれしいところ。
自宅で甘栗を作る場合は、鍋やフライパンで栗を炒ります。テフロン製の鍋・フライパンだとテフロンを傷める可能性があるので、鉄製を使うのがいいでしょう。
材料は栗と砂糖のみ。専門店によってはゴマ油を加えることもあるそうです。
甘栗といえば天津甘栗が有名です。その名がついたのは、甘栗に使う中国の栗が主に天津港から出荷されていたからだといわれています。中国の栗は甘栗に最適ですが、もちろんスーパーなどで販売されている国産の栗を使用しても構いません。栗の種類や味つけなど、お好みで調整してみてください。
甘栗の作り方
それではさっそく甘栗を作っていきましょう。使用する材料は栗と砂糖、塩だけです。使用する道具はボウルとカッターナイフ、鍋(フライパン)。特別な材料も道具も使いません。
まずは下ごしらえから始めていきましょう。
①栗を水に浸ける
栗を流水でざっと洗ったら、ボウルなどに溜めた水に一晩浸けておきましょう。こうすることで皮が柔らかくなり、切れ目を入れやすくなります。また、虫が入っている場合、水に浸けることで虫を出すことができます。
②切れ目を入れる
栗をそのまま加熱すると破裂する危険があるので、すべての栗に切れ目を入れます。切れ目を入れる場所は、栗のたいらな面ではなく丸みを帯びた面。栗のおしりから頭のてっぺんまで切れ目を入れましょう。
切り込みを入れる深さは1mm程度が目安です。包丁よりもカッターナイフの方がやりやすいのでおすすめ。ケガをしないよう十分にご注意ください。
③塩を炒る
専門店では砂利を使って栗を炒りますが、家庭で砂利を使うのは難しいので、代わりに塩を使います。使用する塩の量は、鍋底全体が隠れるくらい。大きめの鍋に塩を入れ、中火で炒って温めましょう。
④栗を炒る
塩を熱したら栗を投入します。中火のまま、ヘラなどで常に混ぜながら15分ほど炒りましょう。しばらくすると、下の写真のように栗の切れ目が開いてきます。
⑤栗を取り出す
栗の切れ目が十分に開いて実に熱が入ったら、鍋の中身をザルなどにあげます。ザルにあげるのは、塩を除き、栗だけをきれいに取り出すためです。
塩は捨てずに再利用できますよ。
⑥砂糖と合わせる
ザルにあげた栗を再び鍋に戻し、大さじ1の砂糖を加えます。塩で栗を炒ったのと同じ要領で、ヘラなどで常に混ぜながら加熱してください。最初はサラサラですが、5分ほど経つと砂糖が溶けて栗にまとわりつき始めます。
初めはこのようにベタベタした状態で、砂糖の塊が栗にくっついて混ぜにくい状態になります。めげずに加熱しながらヘラで混ぜ続けると、次第に砂糖が完全に溶けて栗をきれいにコーティングしてくれます。
カラメル化した砂糖は、甘栗の香りとコクを生み出します。砂糖が全体に回ったら甘栗の完成です。
使用後の鍋の洗い方
甘栗を作った後の鍋・フライパンは、砂糖がこびりついてなかなか落ちません。水洗いしようとすると砂糖が固形化して余計に落ちにくくなりますし、お湯で洗うのにも根気がいります。
鍋をきれいに洗うには、写真のように水を張って沸かすのが手っ取り早く簡単です。砂糖が湯に溶けて鍋肌からきれいに落ちるので、あとは自然に冷まして通常通り水洗いすればOK。
お湯を捨てる前にヘラも熱湯に浸け、ヘラに付着した砂糖もきれいに落としておきましょう。
甘栗を食べて秋を満喫しよう!
今回は、おうちで作れるおいしい甘栗をご紹介しました。
塩や栗を炒り続けるのに少し根気がいりますが、難しい手順もテクニックも必要ないので、どなたでも簡単に作れるはずです。手作り甘栗とお茶で、ほっと一息入れるのもいいですね。
おいしい甘栗で食欲の秋を楽しんでください。