千葉のワーママに学ぶ!仕事と子育て

小林光子さん
(英語講師)前編 

子育てママ&キッズに楽しい英語タイムを

22歳で単身、オーストラリアに渡った小林さん。言葉の壁にぶつかって、人と人をつなぐコミュニケーションの大切さに気づきます。帰国後、子育て中も人とつながりたいと、英会話教室を開講。たくさんの出会いを経てたどりついた、幸せなコミュニケーションとは―。

小林光子さん

1979年、茨城県生まれ。高校卒業後、外国語専門学校に進学。ホテル勤務を経て22歳でワーキングホリデー制度を使いオーストラリアに半年間滞在。帰国後、航空会社に就職。客室乗務員として活躍。2005年、結婚を機に退職。千葉県八千代市に転入。翌年、第1子出産。「こそだて英語」に出合い講師認定取得、教室を開講。08年第2子出産。13年より子ども向け英語教室開講。教室事業を軸に人脈を広げ、現在、八千代ユネスコ協会の立ち上げに奔走。

八千代市に住む小林光子さんは、子育て中のママと、幼稚園から中学生までの子どもたちを対象にした英会話教室を主宰しています。

「子ども向けの『きっずえいご』は、少人数でゲームをしたり歌ったりしながら英語を楽しむプログラム。一方、ママ向けの『こそだて英語』は、『日本おうちでえいご協会』のプログラムを元にした、子育てに英語を取り入れたいママ向けのレッスンです」

今年4月に新しく生まれ変わった、この『日本おうちでえいご協会』の設立にも小林さんは事務局メンバーとして携わっています。

「“お口拭こうね”“手を洗おうね”など育児に使う言葉や、幼児向けの歌や絵本を英語で楽しみながら学んでいきます」

「英語」というと構えてしまうママもいるもの。でもわが子が相手の子育てフレーズなら、臆せず繰り返し使えます。子どもも小さいころから英語に親しむことで、英語が得意になっていくといいます。

「『こそだて英語』の生徒さんは、子連れで参加されます。子どもたちが自由に遊ぶ横でフレーズを覚えたり親子で歌ったりしながらレッスンが進むので、教室というよりサークルですね。今は自粛していますが、レッスン後はお茶を飲みながらおしゃべりをします。その時間を楽しみに通ってくださる方もいますよ」


▲ニコ∞mama祭りでの「おうちでえいご」イベントレッスン

コロナ禍前まで、小林さんはほぼ毎日何らかのレッスンを開催していましたが、今は人数も回数も大幅に減らしています。

では、いずれまた回数を増やす? そう質問したところ、意外にも「いいえ」との返事。

「もう1つ、やりたいことができたんです」

どういうことでしょうか。

オーストラリアで気づいた本当のコミュニケーション

小林さんは茨城県出身。横浜市のホテルに就職した後、22歳でワーキングホリデーの制度を使ってオーストラリアに滞在しました。そこでぶつかったのが言葉の壁だったといいます。

「英語は得意だったはずなのですが、オーストラリアではまったく通じなかった。それで、コミュニケーションについて考えるようになりました。そして、ちゃんと相手のことを分かりたい、自分のことを伝えたいという気持ちに基づいたコミュニケーションこそが、本当のコミュニケーションなのだと気づきました。どうしたらこの人に思いが伝わるのか、この人のいっていることが分かるのかと考えることが、コミュニケーションで一番大事なのだと思います」

帰国後は航空会社の客室乗務員に。25歳で結婚、退社し、八千代市に引っ越してきました。翌年、長女が誕生。「こそだて英語」を知ったのは、長女が1歳のころでした。

「親子で通える習いごとを探す中で、都内で『おうちでえいご』の教室を開いている先生がいると知り、行ってみました。そこの先生は、私と同じ1歳の子どもを育てながら講師をされている方で、“ママだって先生になれるのよ”と教えていただいた。私も、せっかく学ぶなら人に何かを提供できるようになれたらいいなと考え、講師を目指すことにしたのです」


ニコ∞mama船橋での「おうちでえいご」レッスン

知識欲を武器に挑戦。教室が地域の育児拠点に

ご主人の協力もあり順調に「おうちでえいご」の講師の認定を取得。さっそく公民館などでレッスンを開始し、第2子が4歳になる2012年からは自宅での教室もスタートしました。

講師になるにあたり、迷いがなかったわけではないと小林さんがいいます。

「周囲のママたちは、“母親になったのに勉強するなんて変じゃない?”という考えの人が多く、学びたいとはいい出しにくい環境でした。でも『おうちでえいご』の先生から、“ママ自身が学びたいと思うことは、全然変なことじゃない”といってもらえて、心のブロックが外れました」

子育てで“同調圧力”に悩んだこともあったといいます。

「私が勝手に同調圧力を感じていただけなんですが(笑)。ママ友が自分の子を叱ると、私もそうしなくてはいけないような気がして、うちの子は悪くないと思いつつもつい子どもを叱り、あとから落ち込むことがよくありました。あるとき、起業家のママ友からアドラー心理学をベースにした子育てを紹介されました。私は知識欲と好奇心が尽きないんですよ(笑)。さっそくそのセミナーを受講しました。おかげで自分の気持ちをコントロールできるようになったし、堂々と叱らずに見守ることができるようになりました。教室で私の子どもたちへの接し方を見たママから、“私も真似したい”とか“うちの子は集団になかなかなじめないけれど、ここでは受け入れられていると感じられて嬉しい”といっていただくことがあります」

小林さんの学びが、ママ支援につながっていることがうかがえます。

こうして地域と深く関わる中、小林さんは次のステップに進もうとしています。それは、多様性を認め合う地域のコミュニティーづくりだとか――。

関連リンク

▼日本おうちでえいご協会
https://j-ouchideeigo.com

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