千葉グルメを味わう
自然の恵みが豊富な千葉県では、さまざまな作物が生産されています。大根もその一つです。
おでんやブリ大根、サラダなどさまざまな料理に活用できる大根ですが、大量消費や長期保存に頭を悩ませる方は多いのではないでしょうか。
今回は、大根の大量消費と長期保存にうってつけの「自家製切り干し大根」の作り方をご紹介します。
千葉県は大根の名産地
千葉の大根の生産量は北海道に次いで全国第2位(2019年)で、全国生産量の10.9%を占めています。作付面積も2,660haと全国3位で、都道府県面積に対する大根作付面積の割合は全国第1位。千葉県での大根の生産量がいかに多いかがわかります。
大根の旬は冬ですが、今はスーパーなどで通年購入できますよね。最近では冬に種をまき、春や夏に収穫される大根もあります。冬の大根は水分が多く甘みがあり、春大根はやや辛みが強く漬け物やサラダなどに向いているのが特徴。
夏に収穫される大根はさらに辛みが強く身が詰まっているため、煮物や炒め物などに向いています。
切り干し大根はどの大根でも作れるので、大根を大量消費したい場合や長期保存したい場合にはぜひお試しください。
それでは次項から、切り干し大根の作り方を順に解説します。
切り干し大根の作り方
①大根を切る
大根を細切りまたは千切りにします。まずは写真のように短冊状に切ってから細切り・千切りにするとやりやすいですよ。
大根の細さや厚さはお好みで調整してください。
厚みを持たせたり幅広に切ったりすると大根の食感が生き、歯応えのある切り干し大根になります。逆に細く切ると歯切れのいい切り干し大根に。大根を細く切ると乾燥しやすいため、カビ被害を防ぎやすくなるなど失敗しにくいのもメリットでしょう。
②大根を干す
切った大根は干し網などに広げて乾燥させます。
干す際は大根同士ができるだけ重ならないよう配慮しましょう。大根が重なっていると通気性が悪くなり、カビが発生しやすくなります。
また、天気のいい日に風通しのいい場所に干しましょう。雨の日に干したり湿度の高い場所で干したりすると、やはりカビが生えやすくなります。
2~3日ほど干し、大根のかさが減って乾燥したら切り干し大根の完成です。
切り干し大根の魅力
大根の90%以上は水分です。ですので、乾燥させると一気にかさが減ります。写真は大根1/2本を乾燥させたものです。
食品が腐敗する原因のほとんどは、食品中に含まれる水分が原因です。カビの多くも、水分がある場所を好みます。乾燥させることにより菌やカビが必要とする水分が減るため、腐敗しにくくなるのです。切り干し大根が長期保存できるのも、こうしたことが理由です。
さらに、大根は生のままだとボリュームがあるため大量に食べるのが難しいですが、乾燥させるとかさが減るのでたくさん食べることができます。つまり、大根の栄養をそれだけたくさん摂取できるということです。
大根を乾燥させると、栄養価がぐんと上がるのもポイント。
切り干し大根は、生の状態の大根の23倍ものカルシウムを含んでおり、鉄分は32倍、ビタミンB1とビタミンB2は10倍にもなります。水溶性食物繊維や不溶性食物繊維も増加。その上、天日で干すことでアミノ酸が生まれ、高い健康効果に期待できる栄養たっぷりの食品になるのです。
これらの栄養素を摂ることにより、便秘改善などの整腸効果や、動脈硬化の予防効果、美容効果などに期待できます。
切り干し大根の使い方
切り干し大根は、さまざまな料理に活用できます。
そのまま味噌汁やスープに入れるだけで切り干し大根の出汁を楽しめますし、水で戻してサラダなどに加えてもいいでしょう。
大根を干している間に外のほこりやチリが付着しているので、使用前に水で洗うのを忘れずに。
切り干し大根の代表的な料理、「切り干し大根の煮物」のレシピをご紹介します。栄養たっぷりでおいしい料理ですので、切り干し大根を作った際はぜひともお試しください。
材料(2人分)
作り方
まとめ
切り干し大根は作るのに時間こそかかりますが、手間はほとんどかかりません。とても簡単に作れる上に大根の栄養をたっぷり摂取でき、長期保存までできる優秀な食材です。
農作物が豊かな千葉の暮らしでは、ご近所さんなどからたくさんの大根をいただくこともあるでしょう。そういうときはぜひ切り干し大根にして、千葉の恵みを存分に堪能してくださいね。