千葉のワーママに学ぶ!仕事と子育て
子育てサロン『SALON DE MAMBO』を立ち上げ、市内外で活躍をしていた渡邉さんがイラストを描く仕事を始めたのは、2016年。後編では、イラストレーターとしての活動や、新たなフィールドでのママ支援、イキイキした活動の秘訣について教えていただきました。
渡邉さちさん
1976年生まれ。東京都日野市出身。専門学校で保育士の資格を取得し、八王子市の私立保育園に就職。8年間勤務の後、障がい児施設に2年間勤め、2007年出産のために退職。09年からNPO法人「子どもへのまなざし」のメンバーに。『Nobody's Perfect プログラム』ファシリテーター、『育自のための小さな魔法』ファシリテーターの認定を取得。14年に『SALON DE MAMBO』を立ち上げ、日野市を中心に、フリーランス保育士として育児支援プログラムの提供を開始。16年よりイラストレーターとしての活動も始める。18年に保育園に就職。クラスを持ちながら子育て広場で母親向けにワークショップを開催。2020年より雑貨屋スタッフとして勤務。
当時渡邉さんには悩みがありました。プログラム参加費が高額だとママが参加しにくいけれど、事業を継続するには収益性も大切。どうバランスをとるか…。
ヒントを求めて起業家向けのイベントに行ったところ、本コーナーにもご登場いただいた千葉の起業支援グループ「ママコレクションズ」創設者のSumireさんに出会いました。
「SNSでやりとりする中で、たまたまNPOのために描いた絵をSumireちゃんに見せたんです。そうしたら“すごくいい! もっと描きなよ。お仕事にすればいいのに”といってくれました。もともと絵は好きでしたが仕事にするなんて考えてもいなかった。
でも収入源が増えることになるし(笑)、私のイラストが誰かのお役に立つのは嬉しいので、イラストレーターを名乗ることにしたんです」
まずは「今日のカナエール」(※)というカエルのポストカードを作成することから始めました。毎日1枚描き、フェイスブックにあげ続けたところ、少しずつファンが増え、イラストの依頼が入るようになってきたのです。その後も活動の幅は広がり、「育自の魔法」のワークブックのイラストも担当しました。
(※)カナエール→カエル、叶える、エール(応援)
▲渡邉さんの代表作「今日のカナエール」。自分らしく生きていけるような応援のメッセージや問いを、カエルのカナエールのイラストと合わせたポストカード
並行して「ママコレクションズ」の勉強会にも参加するようになったそうです。
「月に1回、日野から千葉に通いました。ママコレでつながった方からもイラストのお仕事をいただきました。千葉はお母さん同士が支えあうグループのネットワークがあって、いいですね。いろいろなママに会うことができて、すごく刺激をもらいました」
▲(左)ママコレクションズ(ママコレ)のイベントでイラスト販売を行う渡邉さん。
(右)ママコレの勉強会にて活動内容の発表も行った。
渡邉さんにさらなる転機が訪れたのは2018年。新たな保育園の立ち上げにあたり、正職員になってくれないかと打診があったといいます。
新たな支援。店頭でママがほっとする時間を提供
「クラスを受け持ちながら、市の子育て広場事業の一環として、子育て広場でワークショップも開催してほしいというお話で、喜んで引き受けました。ただ保育方針の違いなどから2年で辞めることになりました。
次に何をしようかと考えたときに、趣味を仕事にするってどういう気持ちだろうと思い立ったんです。私は保育の仕事を除くとおしゃれが好き。周囲を見たところ、たまたまアジア雑貨店の募集があったので、えいっと転職しました」
今、渡邉さんはアジア雑貨店にフルタイムで勤めています。保育現場には立っていませんが、やっぱり面倒見の良さは隠せない様子。
「たいしたことはしていないんですよ。子育て広場が働いている雑貨屋のすぐそばにあるので、その広場に行く親子が寄ってくれます。
広場で毎週のように顔を会わせていた子もいますので、成長を一緒にみて、“次はこうなっていくね”と伝えたり、バギーの中で赤ちゃんが寝ていると、“ほっとしますね”と声をかけたり。すると、お母さんは“ほっとしていいんだ”と肩の力が抜けるようです」
これも立派なママ支援。渡邉さんのような店員さんが近所にいれば、孤独感から救われる新米ママもきっといるはずです。
▲好きな雑貨に囲まれてイキイキ働く傍ら、今までとは違う形でママたちをサポートしている
ママのイキイキは重要! 秘訣は自分のトリセツをつくっておくこと
ご自身の信念・想いに従い、常に行動を続ける渡邉さんを、ご家族はどう見ているのでしょう。
「夫は起業を全面的に応援してくれ、事業展開のアドバイスもくれました。息子に関しては、フリーランスだったので、一緒にいる時間をきちんと持つようにし、思いっきり遊びました。そのおかげかもしれませんが息子は私に何でも話すし、多分、私の活動を誇らしく思ってくれていたようです。私の絵が載ったワークブックが出版されたときも、とても喜んでくれました」
それも、渡邉さんがイキイキと活動していたからでは?
「私もまだまだ子育ての最中ですが…。やっぱり母親の余裕がないと、ありのままの子どもを受け入れられません。だからお母さんは、自分をご機嫌にさせることを大事にしてほしいものです」
では、渡邉さんが考える、自分をご機嫌にする秘訣とは何でしょうか?
「自分がどうしたらご機嫌になるのか、日ごろ時間のあるときに、書き出してみたらいいんじゃないでしょうか。自分はチョコが好きだとか、この匂いをかぐとほっとするとか、逆に何が苦手だとか、イライラしたときに自分をご機嫌にするマニュアルをつくっておくといいと思いますよ」
これは、すぐに試したいアドバイスですね。
関連リンク
▼NPO法人「育自の魔法」公式サイト
https://ikujinomahou.jp/
▼「千葉のワーママに学ぶ!仕事と子育て」第1回 Sumireさん
https://worldhouse.koori.jp/unau/category/detail/?id=165