戸建てで楽しむ趣味ライフ

おうちで楽しく手づくり!
オリジナルの布マスク(前編)

ライター/青木桂子

マスクをきっかけに、暮らしの中に手づくりの楽しみを。

今、毎日の生活に欠かせなくなっているマスク。ウイルス対策としてはもちろんですが、色、柄、素材などさまざまなデザインのマスクが登場し、ファッションのように楽しめるアイテムにもなっています。そこで、手づくりのある暮らしがコンセプトのブログを中心に、さまざまな布小物のレシピ(つくり方)を紹介している手芸家の猪俣友紀さんに、布マスクについてお話を伺いました。今年だけで2冊のマスク本を出版し、ニーズに合わせて開発された猪俣さんのマスクのレシピは、国内だけでなく、海外からも反響を集めています。

猪俣 友紀さん

千葉で生まれ育つ。房総の海が好きな千葉県民であり手芸家。幼い頃からミシンに触れて育ち、自分の洋服や子どもの服、生活の布小物をつくるなどして、独学で手芸の技術を習得。2005年、ハンドメイドのブログを始め、バッグやマスクなど布小物のレシピを公開。ほぼ毎日、つくったものをアップし続けることでさらに腕を磨き、次第に仕事として手芸に携わることに。現在もブログ更新を続けながら、ヴォーグ学園(東京校・横浜校)で講師を務め、メディア出演や映画の手芸監修、数々の著書を出版するなど多方面で活躍している。

公式ブログ『neige+手作りのある暮らし』:https://yunyuns.exblog.jp/
Instagram :https://www.instagram.com/neige__y/?ref=badge
Youtube : https://www.youtube.com/c/neige7

 

※本取材はオンラインにて実施いたしました

――春の時期に比べると、不織布マスクも手に入りやすくなってきましたが、布マスクを着けている人も多いですよね。手づくりの布マスクの良さとは何でしょうか。

これからはマスクを使う目的によって、布マスクと不織布マスクで、使い分けることが普通になってくるのではないかと思っています。今年の春頃、布マスクのレシピを紹介していると、布マスクはウイルスを防げないからつくっても意味がない、というようなご意見を多くいただきました。たしかに、病院に行くとか、風邪を引いたとか、本当にガードが必要なときには、不織布マスクのほうが安心だと思いますが、これからは室内だったり、近所への買い物だったり、健康なときに日常で着けるものとしては、布マスクで十分という考えにだんだん変わっていくのではないでしょうか。

それに、布マスクの一番のメリットとして、1枚あれば洗って何度も使えるので、エコにもなりますし、そもそも医療従事者の方や病気を抱えている方など本当に必要な人に不織布マスクが行き届いてほしいという思いは、これからも必要なことだと思っています。

――あまり裁縫になじみがない人でもつくれるのでしょうか?

マスクをつくるために、今年はじめて裁縫にチャレンジした方や、眠っていたミシンを復活させた方々が、とても多かったと思います。小物ですから、もちろん手縫いでも大丈夫です。手縫いでつくる方は、縫い目の間隔を一定に揃える。そのことを意識するときれいに仕上がりやすいです。マスクは一生使えるものでもないので、何枚でも気軽に楽しみながらつくってみてください。

たとえば、普段よく着る服と似合う生地を選んでつくってみたり、もう着ないのに捨てられずにいたお気に入りの服を材料にしてみたり。手づくりマスクは白色でないとダメという決まりはないので、好きな色や柄の生地でつくってみると気持ちも高まると思います。

また、針やはさみを使える年齢のお子さんなら、ぜひ一緒につくってみてほしいです。子どもは特に、自分でつくったものを使うということに、すごく満足感を得られます。「今度は友達につくってあげよう」とか、作る楽しさを味わいながら親子でも一緒に手作り時間を過ごせます。

 
▲猪俣さんのアトリエの様子。ここからさまざまなマスクのレシピが生み出されている

――自分らしいマスクをつくるためのヒントとして、何かアレンジの例はありますか?

たとえば、レースを貼り付けて華やかにしてみたり、お子さんの好きなキャラクターのアップリケをつけてみたり、刺繍が得意な人ならワンポイント模様を縫ってみるのもいいですよね。また、ゴムひもの色や素材などを変えてみるのも、簡単にできるアレンジです。耳が痛くなりやすい人は、伸縮性のあるTシャツ切ってゴムひも代わりにしたり、結び方を工夫することでアジャスター機能をつけることもできます。

じつは、アレンジこそがハンドメイドの奥深い楽しみだったりします。最終的にできあがる形は同じだったとしても、つくる人によって細部に個性がでてくるところがおもしろいんです。いろんな人のレシピを見たり、一緒に手づくりを楽しめる仲間とつながってアイデアを出し合ったり、黙々とつくって終わりではなく、人とのつながりもできるとさらに楽しくなっていくと思います。

――マスクづくりをきっかけに、もっと他にもつくってみたい!と思ったら、どんなものから始めてみるといいですか?

まだ外出がしにくい状況ですし、 “おうちで使えるもの” から始めてみるといいんじゃないでしょうか。たとえば、今回のマスクづくりのはぎれで、コースターをつくってみるとか。コーヒーを淹れて飲むときに、自分でつくったコースターがあったら、ちょっと気持ちも上がりますよね。そうやって、何があったら暮らしが楽しくなりそうかをイメージして、日常で使えるものからつくってみるのがおすすめです。

いざつくってみると、自然と好奇心やアイデアが湧いてきたりして、けっこう脳が活性化されます。「明日は何をつくろう?」と考える日々が、心の充実にもつながっていくと思いますよ。

>> 後編にて、ハンドメイド初心者もつくりやすい「立体マスク」のレシピをご紹介します!

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