戸建てで楽しむ趣味ライフ

おうち時間に、
大人の塗り絵で色彩の世界を楽しもう!(後編)

塗り絵のテクニックを知って、少しずつ塗り進めよう!

後編では、塗り絵作家・門馬朝久さんに大人の塗り絵のテクニックを伝授いただきます!
作品を仕上げるにはそれなりの時間がかかります。一気にやろうなどと思わず、わずかなリラックスタイムなどを使って、少しずつ進めるのがコツ。すると、塗り絵タイムが待ち遠しくなり、その時間がいいリフレッシュタイムにもなるそうです。

門馬 朝久さん

1952年、北海道生まれ。中学のときに千葉へ引っ越し、以来ずっと千葉暮らし。建築家を夢みて絵の勉強を始めたが、絵を描くことがおもしろくなり、東洋美術学校卒業後、イラストレーターになる。イラストを描く者にとって一流の証であった科学雑誌『ニュートン』の挿画を、長年にわたって手掛ける。2005年から全国を放浪して風景画を描き始め、その絵を『大人の塗り絵』シリーズに提供。現在も精力的に創作活動を続け、定期的な塗り絵教室を千葉県習志野市と、都内(JR東日本 大人の休日倶楽部 大人の塗り絵講座)で開講している。

門馬朝久 Official Website:http://mommatomohisa.com/

用意するもの

はじめての人におすすめの画材は、「色鉛筆」または「水彩色鉛筆」です。

■色鉛筆
これだけで始められる手軽さが魅力です。試しにちょっとやってみたいという方は、このアイテムからスタートすると負担感なく塗り絵ライフをスタートできます。

■水彩色鉛筆
水に溶けるので、水彩画のようなタッチに仕上げることができる色鉛筆です。色鉛筆と同じように紙に描いた後に水筆でなぞったり、芯から筆に色をとって描いたりします。もちろん、普通の色鉛筆と同様そのまま描くだけでもOK。いろいろな使い方ができます。

■手元にあるものでOK
絵の具、クレパス、パステルなど、色をつける画材がすでにあればそれを使いましょう。手元にある使いなれたものからスタートすれば大丈夫です。高級品である必要もありません。絵の具を使いたい人は、絵の具、筆(丸筆と平筆の2本)、パレットをセットで用意します。

水彩色鉛筆を使ったWEBミニレッスン<風景画>

沖縄県・石垣島川平湾の風景です。お手本を見ながら塗ってみます。

※こちらの塗り絵は『大人の塗り絵 日本の彩り豊かな風景編』(河出書房新社)内に掲載されているものです。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309719566


画像提供:河出書房新社

STEP1:背景の空から塗りはじめます

水色で、雲のまわりから塗っていきましょう。外側に向かって輪郭をぼかしながら塗ると、空と雲が自然に調和します。白い雲は、紙の白地で表現するのでそのまま塗り残します。白色の色鉛筆は使いません。このテクニックは雪山などを描くときにも使えるので、覚えておくと便利です。

全体的に雲が浮き立ってきたら、濃い青をさらに塗り重ねて、陰影の調子を整えていきます。濃い目の色をのせることで、より雲の白さが際立ってきます。

 
画像提供:河出書房新社

STEP2:遠くに浮かぶ島から、だんだんと近景へ

針葉樹林は青色で、島の上部は緑色で、下部は青色やこげ茶で塗りましょう。

遠くの島や山などに生える緑の木々は、本来は緑色ですが、塗り絵では緑ではなく青系の色を使います。そうすると奥行きのある絵に仕上がります。


画像提供:河出書房新社

STEP3:海は水面の映り込みから描いて立体的に

太陽の光がどこから差しているかをイメージしながら、海面の映り込みを緑色で描きます。反射をきちんと描いてあげると水の透明感が表現できます。

 
画像提供:河出書房新社

STEP4:広大な海と、近景のパーツを塗って仕上げる

青系の色とエメラルドグリーンなどを使って、海全体を塗っていきます。仕上げに、船や木々にも色をつけて完成です。


画像提供:河出書房新社

最後の仕上げのコツとして、影は影、光は光、それぞれメリハリをつけるとうまく仕上がります! 

知っていると絵がグレードアップする「プチ・アドバイス」

♦ 緑にオレンジをプラス! すると植物らしい自然な緑色に
本物の色に近づけるために、混色がとても大事になります。たとえば、植物の葉は、普通の緑(ビリジアン)をそのまま塗ってしまうと人工的な色合いになってしまうのですが、そこにオレンジなど赤みある色を重ねると自然な色合いに近づきます。

♦ 黒は混色で表現すると、絵に深みがでる
基本的に黒の色鉛筆は使いません。黒色を表現したいときは、こげ茶と濃紺を重ねて塗りましょう。このとき、こげ茶を50回、濃紺を50回、合わせて100回重ねて塗るのがポイントです。塗る回数の比率を変えると、自分好みの黒色を表現することもできます。

♦ 花から風景へステップアップするのもOK
風景はちょっと難しそうという方は、花の塗り絵からはじめてみるとよいでしょう。花の色つけを経験すると、グラデーションの塗り方が身につきますし、葉を描くことで、同じ緑色でも色味に変化をつける練習にもなります。


画像提供:河出書房新社

前後編でお届けした大人の塗り絵指南、いかがでしたか?  最初は難しく感じるかもしれませんが、色をあれこれ変えたり、塗る力加減を考えたり、実際に手を動かす楽しさを実感できると思います。ひととき没頭してみると、色彩の世界の楽しさ、奥深さがわかってくるはずです。ぜひ挑戦してみてください。

▼河出書房新社 大人の塗り絵シリーズ詳細はこちら
http://www.kawade.co.jp/np/search_result.html?keyword=%E9%96%80%E9%A6%AC%E6%9C%9D%E4%B9%85

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