ブログ・コラム

Blog・Column

ビルトインガレージとは?メリット・デメリットから注意点を解説

2021.07.25 (日)

お役立ちコラム


土地の敷地面積の問題で単独のカーポートを設置できない場合に人気の対処法が、ビルトインガレージです。近隣の月極駐車場に空きがある場合、必ずしも必須ではありませんが、自宅の敷地外に駐車する環境は利便性が高いとは言えません。

ただし、実際にビルトインガレージを設置するのであれば、メリットのみではなくデメリットを理解したうえで判断することが重要です。

当記事では、ビルトインガレージの特徴について、費用や設置時の注意点とともに紹介します。

目次

  1. ビルトインガレージとは?
  2. ビルトインガレージを設置する4つのメリット
    1. 家から車までの移動が楽になる
    2. 倉庫や趣味のスペースとして使える
    3. 雨風や盗難から車を守れる
    4. 節税につながる
  3. ビルトインガレージを設置する3つのデメリット
    1. 1階のスペースが少なくなる
    2. 車の排気や騒音が気になることがある
    3. 建築費用が高くなる
  4. ビルトインガレージを設置する際の注意点
  • まとめ

1.ビルトインガレージとは?

ビルトインガレージは、インナーガレージやガレージハウスとも呼ばれ、建物の一部に作成する内部組み込み型の駐車スペースです。建物と別に単独で設置するカーポートのように、柱と天井のみで構成されるシンプルなものではなく、周囲を壁とシャッターに囲まれたクローズドタイプとなっています。

自宅の敷地内に駐車スペースを設けることができるため、日本では都市部を中心に多くの家庭で取り入れられているスタイルのひとつです。また、近年は土地の有効活用以外に、多種多様な目的でビルトインガレージを選ぶケースもあります。

ビルトインガレージが設置される場所は、基本的に建物の1階部分です。ただし、敷地と道路に大きな高低差がある場合は、住宅の地下部分に作成することもあります。

2.ビルトインガレージを設置する4つのメリット

敷地面積に余裕のある家庭でも、ビルトインガレージのメリットに注目して、注文住宅であえて採用する場合があります。ビルトインガレージは、駐車スペースとして利用するのみではなく、アイディア次第でさまざまな楽しみ方・活用方法が発見できる設備です。

ビルトインガレージのメリットの中でも、代表的なものは以下の4点です。

2-1.家から車までの移動が楽になる

ビルトインガレージは住宅の一部に設置しているため、内部に住宅の1階に続くドアを取り付けることもできます。住宅へのドアと、内側から閉めることのできる電動シャッターを取り付ければ、駐車した後にわざわざ外へ出てシャッターを閉めることなく建物内へ入れます。

車からの移動距離が最小限で済むうえ、天候に左右される心配もありません。荷物が多い日も傘を差さずに出し入れできるため、雨に濡れることなくスムーズに作業できるでしょう。

2-2.倉庫や趣味のスペースとして使える

ビルトインガレージは車一台分以上のスペースがあるため、駐車スペースとして利用する他に倉庫や趣味を楽しむための場所として活用する方法も人気です。

たとえば、下記のような活用方法があります。

  • 壁をガラス張りにして建物の内側から愛車を眺める
  • 車いじり・バイクいじりを楽しむ
  • プラモデル作成など個人の作業スペースにする
  • DIY用の工房や材料置き場にする
  • 子ども・ペットの遊び場として活用する

ガレージの壁部分をショールームのような大きなガラス張りにして、建物の内側から愛車を眺めて楽しむスタイルを取り入れている例もあります。大きめのビルトインガレージを設置すると、倉庫や趣味のスペースとしての併用に最適です。

2-3.雨風や盗難から車を守れる

ビルトインガレージは三方を住宅の壁に守られており、入り口部分はシャッターを取り付けることもできます。柱と天井のみのカーポートや月極に多い青空駐車場のように、雨風にさらされる心配がありません。

また、防犯性を重視する方にも最適です。近年は自宅敷地内に駐車していた高級車が盗難されるケースもあり、外部から見える状態で愛車を保管することは高リスクとなっています。

外部から見られないビルトインガレージに駐車することで、雨風に加え盗難からも愛車を守ることができるでしょう。スペースに余裕がある場合は車用品の他、同じく盗難されやすいバイクや高級スポーツバイクの保管もおすすめです。

2-4.節税につながる

ビルトインガレージの設置は、駐車場代の節約に加えて固定資産税の節約としても役立ちます。構造上、住宅の一部となっているビルトインガレージも固定資産税の対象ですが、評価額は通常の一戸建てと同等ではありません。

通常の居室よりも低い評価額となるうえ、「建物全体の延べ床面積のうち、5分の1以下の広さである場合は建物の容積率から除外する」と規定されているためです。

ただし、電動シャッターなど客観的に高価と思われる設備が導入されている場合は、固定資産の評価対象となる可能性もある点に注意してください。

3.ビルトインガレージを設置する3つのデメリット

前述のとおり、ビルトインガレージは実用性も節税対策としても魅力的な設備です。個性的な間取りと組み合わせるなど、アイディア次第でより快適な住空間を演出してくれるでしょう。

一方で、注意しなければならないデメリットもあります。実際にビルトインガレージの設置を検討している方は、次に挙げるデメリットへの対策も視野に入れることが大切です。

3-1.1階のスペースが少なくなる

車一台分以上のスペースを要するため、狭小地に住宅を建てる場合は1階部分の居住空間が狭くなります。物件によっては、玄関スペースとビルトインガレージのみとなる場合もあるため、必然的にリビングや居室は2階以上に設置しなくてはなりません。

ビルトインガレージを設置するときは、1階の居住空間の大半をカットしてでも取り入れるメリットがあるのか、慎重に検討することが大切です。土地条件によっては、十分な居住空間を得るために3階建ての住宅デザインとなる場合もあります。

ただし、風通しの良い2階部分にリビングを設置できることはメリットとも言えるでしょう。

3-2.車の排気や騒音が気になることがある

ビルトインガレージは壁やシャッターに守られる一方で、通気性の問題が生じやすい構造でもあります。車の排気ガスがガレージ内に広がったり出入庫時の騒音が響いたりするため、あらかじめ対策しておくことが大切です。

排気ガスの逃げ場がない場合は、ドアから居住空間へ流れやすくなります。換気扇の設置も検討しましょう。

騒音の問題はエンジン音が主な原因です。電動シャッターを導入している家庭では、深夜のシャッター開閉音が同居家族にとっての騒音となることもあります。

3-3.建築費用が高くなる

ビルトインガレージは車がスムーズに出入庫できるよう、大きな開口部が必要です。シャッターや照明、換気扇などの取り付けも含めると、建築費用は高くなります。

一般的な木造住宅では、ビルトインガレージを設置した場合の耐久性や耐震性は期待できません。十分な耐久性と耐震性を得るための作業も施工に加わることとなり、通常の居室を作る場合よりも高コストとなります。

4.ビルトインガレージを設置する際の注意点

前述したデメリットの一部は、対策することで軽減したり解決したりできます。たとえば、騒音問題はガレージの真上となる2階部分はリビングにして、3階に寝室を配置するなどの間取りアイディアによる対策です。

ビルトインガレージを設置する場合は、生じ得るデメリットやトラブルを想定した構造を採用しましょう。見落としやすい注意点として、下記の2点が挙げられます。

  • 車による汚れを考慮した素材や内装を選ぶ
  • 断熱性能を取り入れる

雨や雪の中、車で外出する可能性も考えられます。悪路を走行してタイヤや車体が泥で汚れることもあるため、ガレージ内の床や壁に汚れが付着しても手軽に掃除できる素材や内装を選びましょう。

水で洗い流せるよう、床部分は丈夫で扱いやすいコンクリートなどがおすすめです。外に向かって緩やかな傾斜を設けると、自然と排水されるためガレージ内に排水口を設置する必要もありません。

意外と失敗しやすいポイントが、断熱性能です。ガレージ内で過ごすことがない場合でも、真上に位置するリビングに寒さや暑さが伝わりやすいため、ある程度の断熱性能は取り入れることが大切です。

まとめ

ビルトインガレージは、限りのある敷地面積を有効に活用できる他、趣味の空間や倉庫として活用できるなど多くのメリットがあります。新築一戸建てはもちろん、近年は中古一戸建てのリフォーム案としても人気です。

一方で排気ガスや騒音のリスクなど、構造上デメリットとなりやすい部分もあるため、注意点を理解したうえで設置を検討しましょう。

ビルトインガレージの広さによっては、通常の駐車場付き住宅よりも固定資産税の節税につながることがあります。ただし、あまりにも設備に費用をかけ過ぎると対象外となるため、節税も視野に入れたい方は設計の段階で専門家に相談することをおすすめします。

ワールドハウスへのお問い合わせ

Contact